日時:10月29日 16:20~16:50
会場:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ
登壇者:松山ケンイチ、北川景子、伊藤克信、杉山泰一監督
現在開催中の第28回東京国際映画祭(10月31日まで開催)で、『の・ようなもの のようなもの』公式上映舞台挨拶が29日に行われ、主演の松山ケンイチ、北川景子、杉山泰一監督に加え、前作の主演で今作でも同じ志ん魚(しんとと)役で登場する伊藤克信が登壇した。
松山は「最初に台本を読んだ時には気づかなかったけど、初めて衣装合わせをした時に『僕達急行 A列車で行こう』(森田芳光監督の遺作)の小町役をモチーフにしていると気づいたんです。他の皆も、いつかの役をそのまま持ってきて演じている。そういうことか、と。ラブレターというかオマージュというか、そういうものもあるんだなと感動しました」とコメント。森田監督の『間宮兄弟』が映画デビュー作となった北川は「『間宮兄弟』で演じた夕美と同じ名前の役に森田組の洒落を感じました。あの時の夕美が成長したらこんな感じかなと想像しながら演じました」と笑顔を見せた。
前作で主役を演じた伊藤は、「35年後に続編を作るなんて普通はあり得ない。これは前作のキャストが皆生きていたからできたんです。誰か死んでたらできなかった! 長生きに感謝!」と会場を笑わせた。
そして、『の・ようなもの』以降すべての森田作品に助監督として関わっていた杉山監督は、「最初にこのお話をもらった時は、森田ファンを裏切ってしまうのではないかと尻込みしました。でも黒沢明監督の『椿三十郎』をリメイクしてしまう監督ですからね、「続編やっちまえ!』って監督に言われているような気がして撮ろうと決意しました。森田さんへの恩返しの想いを込めて作りました」と振り返る。
森田組をよく知る杉山監督の現場は、森田組の同窓会のようでアットホームな雰囲気だった、と松山、北川、伊藤が口を揃え、温かい現場の雰囲気を伺わせた。松山は、「生前、森田監督は(北川)景子ちゃんと僕でラブストーリーを撮りたいとおっしゃっていて……。それがこんな形で実現できました。この映画はラブストーリーのようなものであり、青春映画のようなものでもあり、いろんな『のようなもの』が詰まった作品。また、観ていただいた方にはそれぞれに『のようなもの』じゃないものが見つかると思います。公開は来年だからそれまでは生きていてくださいよ! 伊藤さん!(笑)」と締めくくった。