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『東のエデン』『精霊の守り人』『攻殻機動隊S.A.C.』など、重厚な世界設定を構築しその中で人間ドラマを描いてきた神山健治監督初の劇場オリジナルアニメーション『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』。
先日行われた東京での完成披露試写会を皮切りに、『ひるね姫』の地方キャンペーンがスタート。その最初となったのが、本作の舞台の一つとなっている大阪。イベント会場の松下IMPホールには、10代、20代の女性を中心とした約800人が駆けつけ、満席になった。
会場に詰め掛けたたくさんのファンの歓声に包まれながら登場したモリオ役の満島真之介は、「久しぶりに大阪に上陸しました、大阪が大好きで、毎週毎週大阪に行きたいと思っています。食べ物はおいしいし、人との距離感が近くていいなと思います。今日は高畑さんの代わりにかわいいジョイ(※劇中キャラクターのぬいぐるみ)も連れてきましたので、男ばっかりでと思った方はジョイを見てください!」と語り、会場は和やかな雰囲気に。
また今回ココネとモモタローという、父と娘の関係を描いた理由について聞かれた監督は、「父と娘って一番摩擦が起きにくい関係だと思うんです。父と息子の関係はハリウッド映画とかでもよくある設定で、母と娘は友達か女同士になってしまう。そんな中で父と娘の関係性は、娘が年頃になるとお父さんのことが嫌いになってくるし、父親からすると年頃の娘にどうやって接していいか、わからなくなる。だから一番ドラマが生まれにくい関係性だけれど、でもその中にはいろんな思いがあるんではないかと思いました。」と自身の考えを語った。
最後に作品について満島は「ジョイもがんばってま~~す!!」(ジョイを手に、ジョイのまねをしている)とおどけて照れつつ「全然ダメです!!(釘宮理恵演じる)本物の方が断然かわいいです!!」と突然のモノマネで会場を盛り上げたかと思えば、真剣な表情で「本当に昨今アニメの映画は世界に誇る素晴らしい作品がたくさんできていますが、また新たな金字塔ができたと思っています。そんな作品に参加できた喜びと幸せを毎日感じています。神山監督の頭の中で紡ぎだされた物語によって、愛するキャラクターたちが奮闘し、大活躍します!あまり頭で考えずに、素直に受け止めて観た方が楽しめる映画になっていると思います。エンドロールが終わって電気がつくまで絶対に帰らないでください。そこにはもう一つドラマが待っていますので。」と、エンドロールで描かれる“ある仕掛け”について熱く思いを語り、監督は、SF作家アーサー・C・クラークの名言を引き合いに出し、「“よくできた科学技術は魔法と見分けがつかない”という言葉があります。「ひるね姫」を作るときにほんわかしたあったかい家族のドラマを作ろうと思いつつ、実はその言葉も念頭に置きながら魔法って何かなとか、今の時代の技術は今の人たち(若い人たち)にどういう風に受け止められているだろうと考えながら作った作品です。もちろんあったかい家族のドラマもありますが女子高生の日常から始まり、スペクタクルに発展していって、最後はとてもチャーミングなラブストーリーになっています。結構ジェットコースターな映画になっているんじゃないかと思います。先入観なく身をゆだねて楽しんでいただけたらなと。」と笑顔で締めくくり、和やかな雰囲気の中、舞台挨拶は終了した。