綾野剛主演、日本映画賞を総なめにした『凶悪』の白石和彌監督の待望の最新作『日本で一番悪い奴ら』。6月25日に初日を迎え、主演の綾野剛、YOUNG DAIS、植野行雄(デニス)、木下隆行(TKO)、ピエール瀧、白石和彌監督が舞台挨拶を行った。
この日、会場を埋め尽くした観客の前に歓声を浴びながら登場した綾野ら“チーム日悪”の面々。映画そのままに“ホンモノ感”が漂うスーツに身を包んだ綾野は「朝からこのような問題作を見ていただきましてありがとうございます。」と挨拶。続く植野は「ハイ、みなさんグッドモーニングです」とまさかの英語での挨拶に、綾野はすかさず「英語話せないでしょう!」とツッコミをいれ、続けて「インド人じゃないの?」と植野に問いかけると「僕、パキスタン!」と激高する劇中のワンシーンを再現。上映後の舞台挨拶とあって、観客が爆笑する様子に満足げな綾野と植野であった。さらに白石監督も「今回、公開後初めての舞台挨拶なので色々ぶっちゃけます!」と気合の挨拶で、観客の笑いを誘っていた。
さらに上映後の舞台挨拶ということで綾野からこの日集まった観客に向けて日本警察史上最大の不祥事を基にした本作を「この作品は意外と笑えましたか?」と問いかけると満足した観客から大きな拍手が。その反応にピエール瀧は「ほんと、みなさん不謹慎ですね(笑)」と観客にツッコミを入れる場面も。
続けて撮影時の思い出について聞かれたYOUNG DAISは「綾野さんがリードしてくれて、普段から撮影内外で作っていただいたコミュニケーションのおかげでとてもいい現場でした」と座長である綾野をねぎらった。
続けて関東一のヤクザのドンを演じた木下は役作りの研究の為に新宿を歩いていたが「本当に怖い人がたくさんいて怖かった」と役柄に似合わないまさかの発言で会場を盛り上げていた。
映画の全国PRに出かけていたという植野に綾野は感謝を述べつつも、その様子を見ていたようで「ふざけていたでしょ!?」とツッコミを入れる場面も。さらに舞台上では今作で植野が演じたパキスタン人役を白石監督の自宅近くのインドカレー屋の店員とギリギリまで迷っていたエピソードに会場からは笑いが漏れていた。そんな植野はPRで訪れていた劇場で70歳くらいのおじいさんから「今年一番期待している」と言われたエピソードを披露すると、綾野らチーム日悪の面々も喜びを隠しきれないよう様子だった。
続けて、お気に入りのシーンに質問が及ぶと、植野は綾野との刃物を使ったアクションシーンを挙げ、舞台上で再現を披露。撮影当時、ケガをしないように何度も段取りを重ねたにも関わらず、本番では植野が段取りを無視した動きをしてしまったそうで、植野の突進を避けるところを実際は3回ほど切りつけられていたと、詳細な解説を行うと場内から笑いが。さらにそのアクションシーン後の過激なセリフは、実は綾野の本音だった裏話を披露するとこの日一番の笑いが起こった。
そんな個性豊かなキャストを束ねた白石監督は「この作品は完全に役者の映画、役者が輝いてなんぼ。悪い人達を演じ、舞台に上がっている役者さん達が輝ける作品になった。」をチーム日悪の面々をねぎらっていた。
イベントの最後には、「日本で一番大きい鏡開き」が行われた。直径が2m40cmの巨大な樽が運び込まれると驚いた様子を浮かべながら、綾野は「鏡開きは初めてです」とまさかの初体験を告白。チーム日悪の面々が小槌を持ち、観客らの「日悪ー!大ヒットー!」の掛け声とともに勢いよく小槌を振り下ろすと、日本酒ならぬ、何百丁もの拳銃が!劇中、チーム日悪が押収した拳銃を目の前に綾野たちは笑いを浮かべながら拳銃を手に取り、マスコミ向けの写真に収まる姿は異様な“ホンモノ感”が漂っていた。最後に綾野は「社会が自主規制、コンプライアンスだとか潔癖症になっている中で、こうした作品が公開できるのは非常に重要です。皆さんで繋いでください!」と呼びかけると会場から大きな拍手が起こり、舞台挨拶は大盛り上がりで、終了した。