デイヴィッド・リンチ監督の最後の長編劇映画となった不条理ミステリー「インランド・エンパイア」(2006)が、リンチ自ら監修した4Kリマスター版で1月9日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて順次公開される。メインビジュアルならびに出演者・裕木奈江のコメントが到着した。
ハリウッド女優のニッキー・グレース(ローラ・ダーン)は、未完に終わったポーランド映画「47」のリメイク作「暗い明日の空の上で」に出演することに。やがて共演者のデヴォン・バーク(ジャスティン・セロー)と映画の物語さながらの不倫関係に陥り、虚実が交錯していく--。
裕木奈江コメント
この度、リンチ監督の『Inland Empire』が再上映されること、心よりお祝い申し上げます。
私にとってこの作品はとても思い出深く、特別なものです。
リンチ監督のファンだった私はロサンゼルスでエキストラ募集があると聞き、撮影現場へ向かいました。現場は熱気と活気に満ちていて、本当にエキサイティングな体験でした。
撮影終了後、監督にご挨拶に伺ったところ、「また別の役があったらやってみたい?」と声をかけていただき、驚きと興奮で「もちろん!」と即答したのを覚えています。それからしばらくご連絡をいただけなかったのでもう撮影は終わったものと思っていましたが、ある日連絡が入り、ファックスで長い英語のセリフが送られてきました。
当時の私はまだ英語の勉強を始めたばかりでしたので、「私には無理だと思う」とお伝えしたのですが、監督は「アクセントが面白いからやって欲しい。とにかく全部覚えて一生懸命喋ってみて」と。巨匠に言われては仕方がないので、あの摩訶不思議なセリフを黙々と覚えました。
当時、スタッフさんからは「Web公開用の短編になる予定です」と伺っていたので、まさか3時間もの長編大作として劇場公開された時には心底驚きました。
劇場で鑑賞してさらに驚いたのは、エキストラとして参加したシーンに、一瞬ですが映り込んでいたことです。よかったら探してみてください。
日本での再上映、本当に嬉しいです。
これからも監督の作品が愛され、語り継がれていくことを願っております。
「インランド・エンパイア 4K」
出演:ローラ・ダーン、ジェレミー・アイアンズ、ジャスティン・セロー、ハリー・ディーン・スタントン、ウィリアム・H・メイシー、ジュリア・オーモンド、ローラ・ハリング、ナスターシャ・キンスキー、ナオミ・ワッツ
監督・脚本:デイヴィッド・リンチ
製作:メアリー・スウィーニー、デイヴィッド・リンチ
2006年/180分/アメリカ/カラー/ドルビーSRD/ビスタサイズ/4K
原題:Inland Empire
日本語字幕:林完治 配給:アンプラグド
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公式サイト:unpfilm.com/empire



