提供:キネマ旬報
“鉄の爪”アイアンクローの開祖であり、日本マットではジャイアント馬場やアントニオ猪木と激闘を繰り広げた伝説的プロレスラーのフリッツ・フォン・エリック。そして父と同様にプロレスの道に進んだ息子たち。相次ぐ悲劇によりいつしか“呪われた一家”と呼ばれるようになった彼らの軌跡を、ザック・エフロン主演、ショーン・ダーキン監督(「マーサ、あるいはマーシー・メイ」「不都合な理想の夫婦」)、A24製作により描いた「アイアンクロー」が4月5日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほかで全国公開される。場面写真が到着した。
元AWA世界ヘビー級王者である父フリッツの手ほどきでプロレスラーとなった長男ケビン、次男デビッド、三男ケリー、四男マイク。1980年代初頭にはリック・フレアー、ハリー・レイス、ファビュラス・フリーバーズら大物レスラーと渡り合い、栄光を築いていた。
ところがデビッドが日本マット参戦中に急死して以来、フォン・エリック家は次々と悲劇に見舞われる。“呪われた一家”の真実、そしてケビンの数奇な運命とは--。
長男ケビン役で見事な肉体を披露したザック・エフロンは「今までで最も厳しい挑戦のひとつだった。経験したことのない過酷なトレーニングと食事制限を始めた。ワークアウトから戻って、ワークアウトして、撮影して、またワークアウトみたいな感じだった。辛かったよ、でも結果的にそれはケビンとは何者なのかという深い洞察につながった。彼が自身の運動能力やプロレス、肉体に捧げようとしたものや、完璧を求める姿勢が見えてきたんだ」とコメントしている。
次男デビッドには「逆転のトライアングル」「ザリガニの鳴くところ」のハリス・ディキンソン、三男ケリーには『一流シェフのファミリーレストラン』のジェレミー・アレン・ホワイト、厳格な父フリッツには「キャッシュトラック」のホルト・マッキャラニー、ケビンの妻パムには「シンデレラ」「きっと、それは愛じゃない」のリリー・ジェームズ、信心深い母のドリスには『ER緊急救命室』のモーラ・ティアニーが扮する。また、米プロレス団体AEWの王者であるMJFことマクスウェル・ジェイコブ・フリードマンがエグゼクティブ・プロデューサーを、WWEなどで活躍したチャボ・ゲレロ・ジュニアがプロレスシーンのコーディネーターを務め、それぞれレスラー役で出演もする。
子どもの頃からプロレス狂で、フォン・エリック兄弟には並々ならぬ思いを寄せていたというショーン・ダーキン監督は「なぜ、あれほどまでにフォン・エリック兄弟に惹かれたのだろう。彼らは他に類を見ないエンターテイナーで、彼らの華やかなプロレスは観ていて最高に楽しかった。それに、今のプロレスの基盤になったスタイルでもある。しかし、それよりも僕の心を捉えて離さなかったのは、彼ら家族の喪失の物語だったんだ」と語っている。
なおナショナル・ボード・オブ・レビュー賞でザック・エフロンらキャスト陣が〈アンサンブル演技賞〉に輝き、映画は同賞の選ぶ2023年トップ10に入った。衝撃の実録劇に注目したい。
「アイアンクロー」
監督・脚本:ショーン・ダーキン
出演:ザック・エフロン、ジェレミー・アレン・ホワイト、ハリス・ディキンソン、モーラ・ティアニー、スタンリー・シモンズ、ホルト・マッキャラニー、リリー・ジェームズ
2023年/アメリカ/英語/130分/カラー・モノクロ/ビスタ/原題:THE IRON CLAW/字幕翻訳:稲田嵯裕里/G
提供:木下グループ 配給:キノフィルムズ
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公式サイト:ironclaw.jp