巨匠ペドロ・アルモドバル監督の初の長編英語作品で、第 81 回ベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞した最新作『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』が、2025 年 1 月 31 日(金)より全国公開。
病に侵され安楽死を望む女性と、彼女に寄り添う親友のかけがえのない数日間。
巨匠・アルモドバルが人生の終わりと生きる喜びを描く、世界が沸いた最高傑作。
ポスターにはティルダとジュリアンの顔が対となり、似通いながらも異なる人生を歩んできたふたりの女性の時が重なり、共鳴する一瞬の美しさを表すような構図が意味深長。予告では、死を覚悟したマーサ(ティルダ・スウィントン)と、彼女の最期の願いを叶えようとするイングリッド(ジュリアン・ムーア)の特別な関係性が垣間見える。「雪は世界中にかすかに降り続ける。すべての生者と死者の上に」というマーサの言葉が表すように、映画の舞台となるニューヨークの美しい街並みに幻想的に降り積もる雪のカットが印象的な冒頭からはじまり、マーサとイングリッドが共に過ごす数日間が描かれる。安楽死を望むマーサは「ドアを開けて寝るけれど、もしドアが閉まっていたら私はもうこの世にいない」と口にし、イングリッドは毎朝ドアを見つめる。果たして彼女たちが行きつく結末とは――。『バートン・フィンク』『THE BATMAN-ザ・バットマン-』のジョン・タトゥーロがマーサとイングリッドの過去に関わるキーパーソンとして登場。ふたりの女性の物語が色彩豊かに描かれ、全編に渡り目にも楽しく、詩的なアルモドバルの世界が広がっていることを予感させる。
人生の終焉を迎えようとしているマーサは戦場ジャーナリストとして長い間活躍しており、その性格も情熱的で荒々しく自分に正直。対して小説家として成功したイングリッドは、物静かで思いやりがあり困っている人を見捨てられない性格をもつ。陰と陽のように正反対の女性たちを演じたティルダ・スウィントンとジュリアン・ムーアの競演が本作の大きな見どころとなっているが、まもなくアワードシーズンに突入するアメリカでは連日のようにノミネート予想がでており、ティルダとジュリアンはどちらも主演女優賞の有力候補として注目されている。
さらに 10 月 28 日~11 月 6 日まで開催された第 37 回東京国際映画祭ワールド・フォーカス(ラテンビート)部門でジャパンプレミアを迎えた本作。全 3 回の上映回がすべて満席となり「アルモドバル史上最高傑作」「二大女優の演技が見事」などと高評価の口コミが SNS に多く投稿された。重厚なテーマを描きながらも軽やかな語り口で魅せる、人生と友情と死をめぐる優美な人生ドラマ。年々増していくアルモドバル監督の手腕と、二大女優が生み出す演技のハーモニーをぜひ劇場で体験してほしい。
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©El Deseo. Photo by Iglesias Más.