入江悠監督最新作『あんのこと』が、6 月 7 日(金)より新宿武蔵野館ほか全国公開。
本作は、2020 年 6 月に掲載された「少女の壮絶な人生を綴った新聞記事」を基に描く、衝撃の人間ドラマ。機能不全の家庭に生まれ、虐待の末に薬物に溺れる少女が、人情味あふれる型破りな刑事や更生施設を取材する週刊誌記者をはじめとした人々に出会い、生きる希望を見いだしていく。しかし、微かな希望をつかみかけた矢先、どうしようもない現実が彼女の運命を残酷に襲う―。
稲垣吾郎が演じるのは、週刊誌の編集部で働くジャーナリストの桐野。杏に小さな老人ホームで介護の仕事を紹介する一方で、3年前から多々羅と、主催する薬物更生者の自助グループ・サルベージ赤羽の活動を取材している。
このたび解禁となる場面写真には、最低限の荷物を持って家を飛び出した杏を迎える多々羅と桐野ら3人を捉えたシーンをはじめ、ある衝撃的な事実に呆然とし腰を抜かす姿や、ジャーナリストとしての仕事ぶりが垣間見れる編集部での様子が切り取られている。また喫茶店や取調室でのメイキング写真も到着した。
河合優実が“影の主人公”と表現するように、主人公・杏の人生を描く一方で、実際の事件を取材した新聞記者をベースにした桐野の目線でも語ることができる本作。桐野が自分の心情を語るセリフは劇中では一切ないため、稲垣は役作りに苦労したそうだが、入江監督は「桐野という人物が抱える独特の居心地の悪さ、どっちつかずの葛藤みたいなものを、稲垣さんが絶妙に体現してくれました。シーンによっては無表情で、何を考えているのか見えにくいこともある。でもトータルの芝居には何とも言えない揺れが滲むんです。見事だと思いました」と称賛を送っている。
そんな稲垣は自身の役柄について、「ジャーナリストとしての正義感と、二人との友情と、一会社員としての下心。いろんなところで揺れ動く役なので、それが上手く伝わってればいいなと僕も迷いながらやりました。答えがひとつではない映画ですが、いまの社会にとって必要な映画だと僕は思います」とコメント。
杏へのサポートと、ジャーナリストとしての正義に揺れる人物像に、観客自身も自分ならどうするか?と考えずにはいられない、複雑な葛藤を抱えた桐野というキャラクターにも注目だ。
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(c) 2023『あんのこと』製作委員会