■上質な洋画の主人公は平凡な主婦にあり!?
映画『ロスト・キング 500 年越しの運命』と映画『バーナデット ママは行方不明』は映画『6才のボクが、大人になるまで。』で知られるリチャード・リンクレイター監督と、オスカー女優のケイト・ブランシェットがタッグを組んだヒューマンコメディー。一流企業に勤める夫と愛娘に囲まれ、幸せな毎日を送る専業主婦が主人公だ。『ロスト・キング 500年越しの運命』は、映画『あなたを抱きしめる日まで』、『クィーン』などで知られる名匠スティーヴン・フリアーズ監督がメガホンを
取ったヒューマンドラマ。イギリスの名女優サリー・ホーキンスが主人公を演じた。サリーが演じたフィリッパは、夫と離婚はしているものの良好な関係を結び、二人の息子を育てている。両作品とも、名匠×名女優の元で映画化されている上質な洋画作品だが、そこに共通するのは、主人公が平凡な主婦であること。どこにでもいる主婦の日常を切り取るからこそ共感を呼び、『ロスト・キング 500 年越しの運命』では、公開に先駆け行われた試写会では「感情移入した」「気持ちに共感して涙が出た」といった声が寄せられ、公開前から反響を呼んでいる。
■”普通”で説得力のある演技を名女優が体現!
主婦であること以外に主人公二人に共通するのは、日常を打破するところ。前者のバーナデットは、日々の息苦しさを募らせ、ある事件をきっかけに家から家族の前からこつ然と姿を消してしまう。向かった先は南極。そこで出会った困難と立ち向かい、新しい道を見つけていく。後者のフィリッパは、仕事で評価をされず悶々とした日々を送り、あることをきっかけに、”推し”の人リチャード三世の遺骨をめぐり、歴史研究に没頭していく。両者ともに困難に立ち向かいながら、人生に輝きを取り戻していく様子をケイト・ブランシェットとサリー・ホーキンスという名女優が、説得力のある演技で魅了している。
さらに『ロスト・キング 500 年越しの運命』でサリーが演じているフィリッパは、筋痛性脳脊髄炎という難病を抱える一面も持っており、この繊細な演技を見事に表現している。スティーヴン監督は彼女の演技について「彼女の演技には説得力がある」と語った上で、「『シェイプ・オブ・ウォーター』で彼女の役は、半魚人に恋をするだろ。そして今回の作品では 500 年前に死んだ王に恋をする。つまり彼女は普通なら信じないような設定を説得力を持って演じ切ることができる。実にいい役者だよ。才能にあふれてると思うね」と絶賛。本作のモデルであるフィリッパ本人も、サリーについて「彼女の演技には、私が歩んできた 10 年の旅が美しくまとめられていた」「劇中でサリーが見せる筋痛性脳脊髄炎の演技は、とても重要かつパワフルだった」と満足げに語っている。
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『ロスト・キング 500年越しの運命』クレジット:
© PATHÉ PRODUCTIONS LIMITED AND BRITISH BROADCASTING CORPORATION 2022 ALL RIGHTS RESERVED.
『バーナデット ママは行方不明』クレジット:
© 2019 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.
Wilson Webb / Annapurna Pictures