フランスを涙で包んだ実話に基づく感動作『1640日の家族』が7月29日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開となる。生後18ヶ月のシモンを受け入れた里親のアンナと夫のドリス。2人の息子とは兄弟のように育ち、幸せな4年半が過ぎようとしていた。ところがそんなある日、実父のエディからシモンを手元で育てたいという申し出が。突然訪れた“家族”でいられるタイムリミット。その時、彼らが選んだ未来とはー。監督の少年時代の体験を基に映画化された本作。フランスをあたたかな涙で包んだ感動作が誕生した。
セザール賞受賞女優
メラニー・ティエリーのインタビューが到着!
里子のシモンを息子のように育ててきたアンナ。里親として思い悩みながらもシモンへたくさんの愛情を注ぐ彼女を印象的に演じているのがセザール賞受賞女優のメラニー・ティエリーだ。いち早く試写で本作を鑑賞した方からは、「感情豊かな演技が素晴らしかった」「メラニー演じる母親に感情移入して、涙が止まらなかった」と早くも絶賛の声が上がっている。
この度、そんなメラニー・ティエリーからインタビューが到着。里親という難しい役への向き合い方や子役たちとの共演など撮影の裏側について語った。
まず、本作の脚本を初めて読んだ際の感想について尋ねられると「特別で貴重な脚本だと思いました。アンナは私のために作られたキャラクターだと直感しました。役へのアプローチには紆余曲折がつきものですが、本作では脚本を読んだだけでアンナの気持ちにスッと入ることができました。」とアンナ役をすぐに受け入れられたと話す。
続いて、彼女を演じる際に心掛けたことについて次のように語った。「情熱的な性格ゆえにシモンへの思い入れが強くなり、危険な状態に陥ります。私は、アンナが自分らしさを失っていることに気づかされる展開に惹かれました。繊細なシモンを守ろうと必死になりすぎる不器用さを、どう表現しようか。自分で制御できない感情を抱えているからこそ、私はアンナに興味を覚えたのです。彼女は家族の絆がしっかりしているか、シモンをいつ社会に出してもおかしくないように育てなければと常に気を張り詰めています。私も撮影中はあえて同じような精神状態になってみました。私がアンナの苦しみに寄り添うこともあれば、アンナが私の中へ忍び込んでくる時もある。役作り自体は楽しかったのですが、撮影が進むうちに自分以外誰もアンナを理解できないのではと、孤独を感じるようになりました。通常は俳優と役の間には境界線があるのですが、今回は自分でも感情のコントロールが難しく、クランクアップしたときに正気を取り戻したような感覚がありました。」
子どもたちの無邪気で可愛らしい姿が印象的な本作。最後に、演技初挑戦となったシモン役のガブリエル・パヴィ、また息子たちを演じた2人の子役との共演について尋ねられると「1シーンを撮るのに30テイク費やすこともあり、撮影は大変な試練でした。子役との撮影がどれだけ難しいものか、予想していなかったのです。彼らがどんなにかわいくてお行儀がよくて自発的で心配りができても、対応する大人には集中力とパワーが必要になります。ファビアンは1シーン1カットを重視した演出法を好むので、キャストとスタッフには高度な技術的拘束が強いられました。フレーム内ですべてが完璧に展開されることが求められ、動きも感情も適切な場所に適切なタイミングで要求されます。それは演技というより、まるでダンスの振り付けのようでした。大人の俳優だけでも撮影は気が抜けないものなのに、3人の子役が加わったら想定通りに進行するわけがありません。子どもたちの演技や自然な表情を引き出すために、カメラが私に向いていない時も演技をし続けましたし、子どもたちの動きやカメラの動きを優先していたので、自分のことを考える余裕はなかったですね。子役との撮影はカオスではありましたが、そのうち慣れるものですね。」と笑いながら語った。
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『1640日の家族』
2022年7月29日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて
配給:ロングライド
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