新撰組終焉の象徴と言われる“油小路の変”を通して、幕末の京都、激動の時代をくぐり抜けた武士と庶民の生き様を活写した映画『CHAIN/チェイン』(11 月、テアトル新宿、京都シネマほかにて全国順次公開)のポスターが完成。
本作は、2019 年公開の『嵐電』(井浦新 主演/鈴木卓爾監督)、今年公開した『のさりの島』(藤原季節主演/山本起也監督)など、京都芸術大学映画学科の学生とプロが劇場公開映画を作るプロジェクト「北白川派」の第 8 弾作品。幕末の京都を舞台に、近藤勇率いる新撰組と、伊東甲子太郎率いる御陵衛士(ごりょうえじ)が、京都・七条油小路(あぶらのこうじ)で壮絶な抗争を繰り広げた、新撰組終焉の象徴と言われる“油小路の変”の内幕を描く。
主演は本作が映画初主演となる上川周作。京都芸術大学在学中に北白川派作品で演技力を磨き、映画『止められるか、俺たちを』、『劇場』、『あのこは貴族』、NHK 連続テレビ小説「まんぷく」や大河ドラマ「西郷どん」などに出演した注目の若手実力派俳優。本作では、新撰組と御陵衛士の抗争に巻き込まれ、歴史的事件の裏で活躍する無名浪士の主人公を熱演している。
また、本作撮影終了後に俳優引退を表明した高岡蒼佑が、新撰組から離脱し「御陵衛士」を結成する伊東甲子太郎役を好演。その他にも、新撰組の間者(スパイ)として御陵衛士に入る斎藤一役に塩顕治、新撰組副長・土方歳三役に大西信満、新撰組局長・近藤勇役に山本浩司、元新撰組五番隊組長・武田観柳斎役に渋川清彦などが出演している。
監督は若松プロ出身で『正しく生きる』『愛してよ』の福岡芳穂。脚本は『あゝ、荒野』『宮本から君へ』を手掛けた港岳彦。「5 万回斬られた男」と呼ばれ数多くの時代劇で活躍、今年 1 月に惜しくも逝去した俳優・福本清三の最後の出演作となった。
本作は、時代劇ではあるが、既存の歴史小説を原作としないオリジナル脚本。時に「過去」と「現代」が交錯し、激動の時代「幕末」を生き抜いた無名の武士や庶民の眼差しを通じて、現代社会を俯瞰しようとする意欲作に仕上がっている。タイトルの『CHAIN/チェイン』は、鎖(チェイン)=時間や場所の連なり、という意味を込めて、幕末という激動の時代を駆け抜けた人々、光と闇をまとう京都という場所、そして、私たちが生きる今を結びつけることができないか、という想いで付けられた。完成したポスターには、斬りあう無名浪士と武士の姿と、現代の象徴である京都タワーが同時に存在。幕末と現代が交錯する本作の特徴を活かした斬新なアイデアがちり散りばめられている。
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