世界三大映画祭の常連にして、世界中から新作を待ち望まれているフランス映画界の巨匠フランソワ・オゾンの最新作『Summer of 85』が、8 月 20 日(金)より全国公開。
狂おしくも切ない初恋に溺れた、あの夏――類いまれなる審美眼で作品を発表する度に新境地を開く⻤才フランソワ・オゾンが放つ今作は、運命的に出会った 2 人の少年が、愛と永遠の別れを知るまでの6週間を描いた刹那の恋の物語。原作は、英作家エイダン・チェンバーズが 1982 年に発表した青春小説の金字塔「Dance on my Grave」(おれの墓で踊れ/徳間書店)。17 歳で本小説と出会い感銘を受けたオゾンが、約 35 年の時を経て映像化。
舞台は 1985 年、夏。北フランスの海辺の町。セーリングのためヨットで沖に出た 16 歳のアレックスは、突然の嵐に見舞われ、18 歳のダヴィドに救助される。アレックスにとって、自然体で自信に満ちたダヴィドは眩いほど魅力に溢れていた。急速に惹かれ合い、友情を超えやがて恋愛感情で結ばれる二人。しかし、そんな幸せな日々も⻑くは続かなかった。愛すれば愛するほどに湧き上がる“満たされない気持ち”。「ほんの一瞬も離れたくない」と願うアレックスを待ち受けていたのは、不慮の事故によるダヴィドとの突然の別れだった――。
この度解禁されたのは、そんな今作の美しい世界観を切り取った場面写真。颯爽とバイクで風を切るダヴィドの肩にちょこんと顎を乗せ、初恋の喜びを噛みしめるように頬を寄せるアレックスの姿や、夕日を眺めながらのバックハグ、クラブやジェットコースター、セーリングを楽しむデートシーン等、ティーンエイジャーならではの無邪気さと親密な空気が漂う、眩暈がするほどのときめきに満ちた恋の瞬間が映し出されている。映画化にあたり、「青春映画の約束事に沿って撮影することが、私にとって重要だった。少年 2 人の恋愛に皮肉なんか一切加えず、古典的な手法で撮って、世界共通のラブストーリーにした」と語るオゾン監督は、原作に感銘を受けた当時の感情を投影しながら、誰しもに訪れる初恋の衝動を圧巻の映像美と巧みな演出で鮮やかに映し出す。「大事なのは 2 人の信頼関係を見せること、僕が 10 代の頃に感じたことを表現することだからね。」人生を揺るがすほどの初恋に喜び悶え苦しむ純真な少年アレックスを全身全霊で演じるのは、オゾンに「リバー・フェニックスの再来」と言わしめた注目の新鋭フェリックス・ルフェーヴル。また、アレックスを虜にする魅力と野心に満ちた少年ダヴィドには、フェリックスと同じくフランス映画界から高い注目を浴びるバンジャマン・ヴォワザン。破裂しそうな初恋の衝動が押し寄せる、純度 100%のラブストーリー『Summer of 85』。揺れ動く思春期、見え隠れする青春の危うさの一片を、まずはこちらの写真から感じてみてください。
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『Summer of 85』8月20日(金)
新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか 全国順次公開 © 2020-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-France 2 CINÉMA–PLAYTIME PRODUCTION-SCOPE PICTURES 配給:フラッグ、クロックワークス