デビュー作『バーバー吉野』(03)や、『かもめ食堂』(06)、『めがね』(07)などで日本映画の新しいジャンルを築き、その世界観から女性に圧倒的人気を持つ荻上直子監督がメガホンをとり、生田斗真や桐谷健太、ミムラ、小池栄子、門脇麦、りりィ、田中美佐子ら豪華キャストの共演が話題の『彼らが本気で編むときは、』。
優しさに満ちたトランスジェンダーの女性リンコ（生田斗真）と、彼女の心の美しさに惹かれ、すべてを受け入れる恋人のマキオ（桐谷健太）、愛を知らない孤独な少女トモ（柿原りんか）の３人が、それぞれの幸せを見つけるまでの心温まる６０日を描いた作品です。
この度、完成披露試写会にてイベントを行われ、黄色い歓声の中、リンコ役を演じた主演の生田斗真をはじめとして、桐谷健太さん、柿原りんかさん、ミムラさん、門脇麦さん、田中美佐子さん、そして荻上直子監督が登壇しました。
司会者の方から、「初めて脚本を読まれた時、どんなところに惹かれてご自身の役にチャレンジしようと思われたのか？」という質問に対し、生田さんは「ほんとにとってもとっても面白い作品で、すぐにやりたいと確信しました。そしてその先に演じる役がトランスジェンダーの女性だったという感じで、沢山の苦労があったんですけど、本当に俳優人生の中でも、最も苦労した役です。」と撮影での”女性役”の苦労を滲ませつつ、「5年分の想いが1つ1つの文字に宿っているようなエネルギーが脚本から出てきていたので、荻上さんの本気を自分も本気で受け止めなければならないなと思って撮影に臨みました。」と語りました。
生田斗真さん演じるリンコの恋人役を演じた桐谷さんは「撮影が楽しみで仕方なかった。」「斗真と恋人役ということで、斗真と俺にしか出せない空気感を出せたらいいなと思って臨みました」と答えていました。
「映画のタイトルにかけまして、作品にかかわった中で本気になったことは？」と聞かれると、生田さんは「母性ですかね」と回答。「10代からお芝居をしていて、30になったらいつかお父さん役をやる日がくるのかなと思っていたら、先にママ役をやることになったという驚きはありましたけど、ともを演じたりんかちゃんが本当にかわいくて愛おしくて、抱きしめるシーンなんかでは、感じたことのないような胸の痛みというか、ぎゅっと締め付けられる想いをして、これが母性というやつなのか、と不思議な気持ちになりました。」とリンコを演じるにあたり感じたことを語ってくれました。
桐谷さんは「斗真が美しく見えること」と答え、撮影時の大変さを語りつつ、今までの「俺が一番目立ったる！」精神を封印して生田さんを支えることに本気になれた、と語りました。女性役を演じるにあたり、ビジュアルや芝居に自信が持てない瞬間があったという生田さん。そんなときに近くで桐谷さんが「大丈夫やで、可愛いで」と優しく声をかけ、安心させてくれたというエピソードを披露してくれました。
続いて柿原さんはオーディション時から撮影中、今現在も編み物に本気になっていると答え、「上手に編むことよりも、大切な何かを本気で編むことで学べたと思っています」とコメントすると生田さんは思わず「しっかりしてんな、お前」と驚きの声をあげていました。ミムラさんは撮影中、ヒロミという役を演じるにあたって”異物感”を大事にしたいという想いから、柿原さんとしゃべらないよう、狸寝入りをするのが大変だった、というエピソードを語り、その役作りへの真剣な姿勢に、会場からも感嘆の声がもれていました。門脇さんは予告編にもでている白無垢シーンの大変さを述べ、重さに耐えつつ必死に本気でほほ笑んでいたことを明かしました。毎日攻めの姿勢で前のめりに撮影に臨んでいたという荻上監督は、撮影開始当初、生田さんと桐谷さんが並んだ時に”男どもの友情の匂いがする”ことが気になったという監督は、生田さんを呼び出し、呑みながら役作りについて語ったそうです。
そしてさらに今回、映画『彼らが本気で編むときは、』が”第67回ベルリン国際映画祭”に出品されることが発表されました！
2月9日～19日にドイツ・ベルリンで開催される、由緒あるベルリン国際映画祭にて、パノラマ部門に出品、ジェネレーション部門で上映されることが決定。映画祭には生田斗真さん、桐谷健太さん、柿原りんかさん、そして荻上直子監督が赴き、本作品の魅力を世界に発信してくるとのことです。
「ハッキリ言って傑作です！荻上直子監督の本気と、そして僕たち俳優陣の本気を受け取ってほしいと思います。」と生田さんが豪語する映画『彼らが本気で編むときは、』は2017年2月25日に全国ロードショーを迎えます。
是非ご覧ください。
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（C）2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会
