宝島(2025) 作品情報
たからじま

1952年、アメリカ統治下の沖縄。米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える“戦果アギアー”と呼ばれる若者たちがいた。幼馴染のグスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)の3人と、彼らの英雄的存在でありリーダーとして皆を引っ張っていた一番年上のオン(永山瑛太)は、いつかでっかい戦果を上げることを夢見ていた。全てを懸けて臨んだある襲撃の夜、オンは“予定外の戦果”を手に入れるが、突然消息を絶ってしまう。残された3人は、オンの影を追いながら、やがてグスクは刑事に、ヤマコは教師に、そしてレイはヤクザにと、それぞれの道を歩み始める。しかし、アメリカに支配され、本土からも見捨てられた環境では何も思い通りにならない現実に、やり場のない怒りを募らせ、ある事件をきっかけに抑えていた感情が爆発。やがて、オンが基地から持ち出した“何か”を追い、米軍も動き出す。
「宝島(2025)」の解説
第160回直木賞をはじめ第9回山田風太郎賞、第5回沖縄書店大賞を受賞した真藤順丈の小説を「るろうに剣心」シリーズの大友啓史監督が映画化。アメリカ統治下の沖縄、米軍基地から物資を奪い困窮する住民らに分けていたグスク、ヤマコ、レイとリーダーのオンだったが、“予定外の戦果”を手に入れたオンが消息を絶ってしまう。主人公のグスクを妻夫木聡が、幼馴染のヤマコとレイを広瀬すずと窪田正孝が、英雄的存在であるオンを永山瑛太が演じ、戦後の沖縄で時代に抗い魂を燃やした若者たちの姿を描く。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2025年9月19日 |
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キャスト |
監督:大友啓史
原作:真藤順丈 出演:妻夫木聡 広瀬すず 窪田正孝 中村蒼 瀧内公美 尚玄 木幡竜 奥野瑛太 村田秀亮 デリック・ドーバー ピエール瀧 栄莉弥 塚本晋也 永山瑛太 |
配給 | 東映=ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント |
制作国 | 日本(2025) |
年齢制限 | PG-12 |
上映時間 | 191分 |
公式サイト | https://www.takarajima-movie.jp/ |
(C)真藤順丈/講談社 (C)2025「宝島」製作委員会
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予告編動画
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ユーザーレビュー
総合評価:4.25点★★★★☆、4件の投稿があります。
P.N.「shimashima」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2025-09-28
圧倒される映画。3時間超える映画だが、まったく長さを感じさせない濃密さと熱量があった。沖縄の戦中、戦後については本やテレビなどである程度知ってはいても、登場人物の強烈な体験に飲み込まれ、迫力ある映像や音に感情を揺さぶられ、いかに沖縄が苦汁をなめさせられてきたかを改めて感じさせられる。特に俳優陣の渾身の演技が素晴らしかった。登場人物はフィクションでも、沖縄で実際に起きた事件にかかわっていく確かな存在感があった。沖縄のことばや歴史などついて簡単な知識があると理解しやすいとは思うが、登場人物の怒りや喜び、悲しみに素直に身を任せて映画を楽しむこともできるだろう。原作の語り部のユニークさとは一味違う、映画ならではの直接的鮮明さを感じた。現代の日本の在り方について考えさせられる。多くの人々に、できれば海外の人々にも見てほしい映画。原作もぜひ読んでみてほしい。