P.N.「フォー」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-09-17
実父と再婚相手の義母、息子の歪な三角関係と掴めない距離感。行方不明の義母を探すため、父の記憶を辿る話。
哲学的で社会的な作品で、鑑賞中も鑑賞後も考えされる作品。難解な部分もあるが、演技力で退屈しない。
おおいなるふざい
総合評価4.33点、「大いなる不在」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。
実父と再婚相手の義母、息子の歪な三角関係と掴めない距離感。行方不明の義母を探すため、父の記憶を辿る話。
哲学的で社会的な作品で、鑑賞中も鑑賞後も考えされる作品。難解な部分もあるが、演技力で退屈しない。
藤達也さんの前の数作品は生かし切れ無い感がありましたが、今作は、俳優としての藤さんの才能を見事に引き出しています。
活躍する森山未來さんも、見事でしたし、今一、つかみどころが無い真木よう子さんも、今作では、作品にしっかり馴染んでいました。
才能ある三人が、見事に映画を作り上げていました。
やはり、才能のある方は、作品や監督との出会いなんでしょう?
こう言う作品は、割りとワンパターンになりやすいですが、本当に、存在が息づいているかの様子で、藤さんの学はあるがプライドが高い政治家にも多そうなタイプで、手のかかる老人を見事に演じていました。
静かな作品ですが、内容は、かなり、盛り込んだ、攻めた作品です。
あなたは、存在その者に席を譲りなさい、あなたは記憶では無いのだから。
あなたは、生まれては死に、また、生まれてくる根源の存在その者なのであるから、
少し、哲学的要素、演劇的要素も加わり、難しい様にも感じられ、鑑賞者が、共に考えて行く様な作品。
あなたは、存在するだけで価値があり、記憶はあなたでは無いことを知る必要がある。
認知症をテーマとしたキャスト陣のリアルな演技に引き込まれた作品。
本年度ベスト級。
ぶっちゃけ感動や共感などは無かったけど役者の方々のリアルな演技に引き込まれた感じの作品。
認知症の陽二を演じた藤竜也さん。
再婚相手の原日出子さん。
夫婦役の森山未來&真木よう子さん。
これらの方々の演技が素晴らしい!
時間軸が入り乱れる中、陽二の認知症が徐々に悪化して行く姿がリアル。
陽二の再婚相手の直美を演じた原日出子さん。
優しい妻を演じているのが印象に残る。
陽二が直美に書いたラブレターがロマンチックなんだけど、それを貰った直美の行動も素敵だった。
本作で唯一ほのぼのする行動(笑)
陽二が認知症になる前の直美との仲の良いシーンがあった方が良かったのでは?と自分的には思えた。
森山未來さん演じる役者の卓。
出だしとラストのリハーサルのシーンのセリフ。
本作のストーリーに被せたセリフと思うものの、自分には全く刺さらず(笑)
観賞後、認知症について調べたけどネガティブな人は認知症になりやすいらしいのでポジティブに生きて行きます( ´∀`)