帰れない山 作品情報
かえれないやま
都会育ちで繊細な少年ピエトロは、山を愛する両親と休暇を過ごしていた山麓の小さな村で、同い年で牛飼いをする、野性味たっぷりのブルーノに出会う。まるで対照的な二人だったが、大自然の中を駆け回り、濃密な時間を過ごし、たちまち親交を深めてゆく。やがて思春期のピエトロは父親に反抗し、家族や山からも距離を置いてしまう。時は流れ、父の悲報を受け、村に戻ったピエトロは、ブルーノと再会を果たした。
「帰れない山」の解説
北イタリアの雄大なるモンテ・ローザ山麓を舞台に、都会育ちの少年と同い年の牛飼いの少年の友情と成長をたどる“大人の青春映画”。すべてを教えてくれた山と対峙し、それぞれが己と向き合い葛藤しながら、「ありのままの自分でいられる場所」を発見していく。イタリア文学の最高峰「ストレーガ賞」を受賞し、世界中で39言語に翻訳されているパオロ・コニェッティのベストセラー小説を忠実に映画化。第75回カンヌ国際映画祭にて審査員賞を受賞。主人公のピエトロ役には「マーティン・エデン」で第76 回ヴェネツィア国際映画祭で男優賞に輝いたルカ・マリネッリ。親友のブルーノ役には、「Sulla mia pelle(私の肌に)」(日本未公開)でダヴィッド・ディ・ドナテッロ主演男優賞を受賞したアレッサンドロ・ボルギ。「ビューティフル・ボーイ」で知られるベルギーの俊英、フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲンが監督を務めた。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2023年5月5日 |
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キャスト |
監督:フェリックス・ヴァン・フルーニンゲン
シャルロッテ・ファンデルメールシュ
原作:パオロ・コニェッティ 出演:ルカ・マリネッリ アレッサンドロ・ボルギ フィリッポ・ティーミ エレナ・リエッティ |
配給 | セテラ・インターナショナル |
制作国 | イタリア=ベルギー=フランス(2022) |
上映時間 | 147分 |
公式サイト | http://www.cetera.co.jp/theeightmountains/ |
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予告編動画
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ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。
P.N.「言葉のように表現のように全ては流れる」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-05-17
鑑賞前にイメージしていたのとはかなり違い、小説が原作でもあり、幾重にも深いストーリーが山脈のように展開して行きます。
少年時代の描写は、世代によっては、日本人にも、なんだか懐かしく、こう言う世界観は、何処にもあるよねと共感できる。
予想を大まかに裏切り、『ザリガニの鳴くところ』
のように、言葉のもつ力をベースに、生き方の違い、言葉の力をどう表現するかで、人生の展開も違ってくると言う、重厚でいて、爽やかな友情にからめ、人間の奥底にある表現する力は、語彙力とその使い方にあると強く訴えかける作品。
『ザリガニの鳴くところ』
で、貧しい語彙力から抜け出した彼女の逞しい表現力、「貧しき者こそ幸いなり」の意味を改めて深た。
その作品と同様、言葉、表現する力は、人生の終焉、我が家への道しるべとなる。