いちばん逢いたいひと 作品情報

11歳の少女・楓（田中千空）は、ある日突然、授業中に倒れ、“急性骨髄性白血病”と診断される。幼い楓にとって、抗がん剤治療や放射線治療は過酷なことだったが、隣のベッドで同じ病気と闘っている与志（海津陽）を唯一の心の支えに、日々を過ごしていた。同じ頃、IT企業を経営する柳井健吾（崔哲浩）は、最愛の娘を白血病で亡くしてしまう。経営者の健吾は仕事を優先せざるを得なかったが、娘を失ったことで、幸せだと思っていた家庭は崩壊へと向かっていく。全てを失った健吾にとって、今や一通の手紙でのみ交流があった、見知らぬ女の子の骨髄ドナーになれたことだけが人生で唯一、誇れることだった。かけがえのない人を失いながら、それでも懸命に生きていこうとする男、そして大人になった楓（倉野尾成美）。異なる人生を歩みながら探し求めたそれぞれの“いちばん逢いたいひと”とは……。