天上の花 感想・レビュー 2件
てんじょうのはな
総合評価4.5点、「天上の花」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。
P.N.「大岸弦」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-11-08
天上の花 大阪十三の映画館「第七芸術劇場」鑑賞 2023年11月7日
詩人・三好達治のドキュメンタリー
詩人・萩原朔太郎の娘である萩原葉子の小説を映画化。
1966年に発表した萩原葉子の小説「天上の花-三好達治抄-」を題材にしている。
太平洋戦争真っ只中である。
達治と慶子は越前三国でひっそりと新婚生活を送り始める。
気に入らないと、慶子を殴る、何度も繰り返されてしまう。一途な愛と憎しみを制御できなくなっていく。
「ことばが弾になって、敵を倒すことができないけれど、国民を励まし、勇気づけられるんじゃないかと思って」達治は述べる
「あなたがどんな詩を書いたって、日本は戦争に負ける」と慶子は泣きじゃくる
慶子演じる女優「入山法子」の迫真の演技に感動した。
P.N.「したためたるは過去となりけり曼珠沙華。」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2022-12-16
彼岸の方に、敬意を表して。
ただ、戦禍の日本、ましてや、生きるか死ぬか?
今のお気楽な時代と違い、背負うものの重味が違う。
その背景があるから、まして、男尊女卑以前、老若男女に関係なく、言論に、注意が必要な時代。
一方的な、視点で描けば、女性蔑視。
あの重圧下に生きた作家、三好達治の苦悩を背負いきれる人間がいるか?
理想高く、また、女性への理想も高すぎるゆえの顛末とも言える。
愛した女性は、今で言う女優タイプでしょう?
家に男が二人では、争いは絶えないのかも知れません?
あるがままに、したためたても、てにをはの違いで、ニュアンスが、変わるように、女性視点でも大きく変わるでしょう?
戦禍の日本、重圧下の人間が背負う視点が欠けているので、どちらが、悪いと決め付けることはできない。
ただ、故人を敬い、敬意を表し、曼珠沙華を彼岸に贈るだけ。
作家自身を題材にした珍しい作品。
綺麗にまとまった作品を『天上の花』として、三好達治氏に、捧げる。
そう言う評価しかできません。
私たちは、同じ土俵におりません。