ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ 作品情報
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1947年、ジャズシンガーのビリー・ホリデイ(アンドラ・デイ)は、当時は珍しい白人と黒人が同席可能なニューヨークのクラブ“カフェ・ソサエティ”で、夜毎圧巻のパフォーマンスを繰り広げ、人気の絶頂にあった。そんな中、連邦麻薬取締局のアンスリンガー長官(ギャレット・ヘドランド)は、“人種差別撤廃を求める公民権運動を煽る”とビリーの歌『奇妙な果実』を危険視。だが、歌うだけでは逮捕できないため、ビリーを麻薬使用の罪で追い込もうと計画。黒人捜査官のジミー・フレッチャー(トレヴァンテ・ローズ)が、熱烈なファンを装ってステージに通いつめ、ビリーの身辺調査を進める。やがてビリーは、ジミーに現行犯逮捕され、裁判で懲役1年の判決を受ける。一方、麻薬から黒人社会を救う理想を掲げ、黒人初の連邦捜査官に出世したジミーだったが、母親から“あの歌を歌う勇気のある黒人は他にいない”と責められる。さらに、ビリーのスタイリストで親友のミス・フレディ(ローレンス・ワシントン)から、彼女の過酷な生い立ちを聞き、次第にその歌の魅力と人間性に心奪われていく。後悔したジミーは、アンスリンガーの指示を受けた面会で命令に反し、“今後は誰も信じないで。出所後に罠を仕掛け、また私に逮捕させる気だ”とビリーに忠告。1948年、出所後のコンサートで大成功を収めたビリーだったが、連邦麻薬取締局にニューヨークでの労働許可証を取り上げられてしまう。窮地に陥ったビリーは、ショービジネス界にコネのあるジョン・レヴィ(トーン・ベル)を頼って活動を継続するが、アンスリンガーはそのジョンを使って新たな罠を仕掛けてくる。しかし、ジミーの証言で容疑の晴れたビリーは、ジョンと手を切り、全米ツアーへ。1949年、ビリーは南部で『奇妙な果実』を熱唱し、“KKKに対抗。南部で勇気ある行動”と称えられる。焦ったアンスリンガーは、更なる罠を仕掛けてくるが……。
「ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ」の解説
不世出の天才シンガー、ビリー・ホリデイとアメリカ合衆国の知られざる対決を描いた伝記ドラマ。1947年、ビリー・ホリデイの歌『奇妙な果実』が、「公民権運動を煽る」と危険視した連邦麻薬取締局のアンスリンガー長官は、彼女に罠を仕掛けてくるが……。ビリー・ホリデイに扮したのは、人気歌手のアンドラ・デイ。本作で演技初挑戦ながら、ゴールデン・グローブ賞女優賞(ドラマ部門)に輝いた。監督は「プレシャス」でアカデミー賞監督賞にノミネートされたリー・ダニエルズ。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2022年2月11日 |
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キャスト |
監督:リー・ダニエルズ
原作:ヨハン・ハリ 出演:アンドラ・デイ トレヴァンテ・ローズ ギャレット・ヘドランド |
配給 | ギャガ |
制作国 | アメリカ(2021) |
年齢制限 | R-15 |
上映時間 | 131分 |
(C) 2021 BILLIE HOLIDAY FILMS, LLC.
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ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、1件の投稿があります。
P.N.「歌言葉、「口なし」。」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2022-02-28
そして、私は、ステージで、ガーデニア・フロリダを咲かす。
同胞の痛ましい死を悼み、また、トラウマともなった母親の、口なし事件。
歌わずにはいられない、けれど、そのトラウマと向き合う苦しさ。
酒・タバコ・男関係・薬と時代のまとう妖しい空気間。
歌言葉は、「口なし」。
そして、私は、
ステージで、ガーデニア・フロリダを咲かす。
『奇妙な果実』
の意味とその誕生した背景も描かれています。
口なしとなり、ガーデニア・フロリダの花はその幕を閉じる、
薬物に関しての問題もあるが、体を張って歌い続けて来た彼女は、もはや、口なしだが、その歌声は、甘美なガーデニア・フロリダとして人々の心に花を咲かせる。