P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-01-31
ユリイカ誌が本篇のセリーヌ・シアマ監督特集を組んで居た。本関連ニュースにも在るが見る側と見られる側の逆転或いはジェンダーの問題からのエッセイや論考も興味を惹いた
もゆるおんなのしょうぞう
総合評価5点、「燃ゆる女の肖像」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。
ユリイカ誌が本篇のセリーヌ・シアマ監督特集を組んで居た。本関連ニュースにも在るが見る側と見られる側の逆転或いはジェンダーの問題からのエッセイや論考も興味を惹いた
ヒロインのトラウマを見てるとフランソワ・トリュフォー監督の〈アデルの恋の物語〉の悪夢に魘されるシーンが想い浮かぶ。其れに油彩画をドローイングして行く処は写実的で
撮影クレア・マトンの絵画の如き構図,肖像画家と依頼した家族,モデルの娘,階級社会,召使い…。〈ダウントン・アビー〉のドラマ見たい処も感じられるepisodeも興味深く
※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]
女性だけで構成された映画。
しかし、男性が登場せずとも当時の背景として男性社会から抑圧されてる現実が色濃く反映されている。
色彩や景色、波の音、風の音、暖炉の炎…。
どの人の感想にも共通している「どこの場面を切り取っても絵画のよう」と評される映像の美しさは圧巻!
おそらく全て計算されているのだろう…。
本当に美しかった。
そして音楽がほぼ無いことで二人の細かな息遣いや視線や表情が際立っていると思った。
描く側、描かれる側。
視る、視られることによって二人の距離がどんどん近づいていく…。
エロイーズ、マリアンヌ、ソフィの3人が階級を越えて興じるカードゲームや読書によるそれぞれの意見交換のシーンはこの映画でとても印象的。
特にカードゲームのシーンは、自然と笑顔になるほど見てて楽しかった。
この映画の素晴らしい所は、
伏線の回収が見事。
なるほどそうきたか!と…
エロイーズのオルフェの行動の解釈。
マリアンヌがピアノで弾いたヴィバルディの四季・夏。
これが後に強烈なパンチを喰らわしてくれるのだ。
衝撃のラストに全てが込められている。
※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]
女性だけで構成された映画。
しかし、男性が登場せずとも当時の背景として男性社会から抑圧されてる現実が色濃く反映されている。
色彩や景色、波の音、風の音、暖炉の炎…。
どの人の感想にも共通している「どこの場面を切り取っても絵画のよう」と評される映像の美しさは圧巻!
おそらく全て計算されているのだろう…。
本当に美しかった。
そして音楽がほぼ無いことで二人の細かな息遣いや視線や表情が際立っていると思った。
描く側、描かれる側。
視る、視られることによって二人の距離がどんどん近づいていく…。
エロイーズ、マリアンヌ、ソフィの3人が階級を越えて興じるカードゲームや読書によるそれぞれの意見交換のシーンはこの映画でとても印象的。
特にカードゲームのシーンは、自然と笑顔になるほど見てて楽しかった。
この映画の素晴らしい所は、
伏線の回収が見事。
なるほどそうきたか!と…
エロイーズのオルフェの行動の解釈。
マリアンヌがピアノで弾いたヴィバルディの四季・夏。
これが後に強烈なパンチを喰らわしてくれるのだ。
衝撃のラストに全てが込められている。
純粋に人を好きになり、心を預けた人を生涯想い続ける美しさ。
併せて、捨てきってしまえない家族、世間の常識や期待の重圧。
美しい映像で女性の立場が切なく描かれている。
いろんなものに置き換えて、叶えられない気持ちを抱く人に語りかける映画と思います。
ヨーロッパ映画らしい光と透明感、寓意と幻覚を適度に交えプロローグとエピローグを見事に纏めた脚本の構成、キャスティングの妙と心を掻き毟る表情。
これを観ると、LGBTと云う言葉が陳腐になる。性別は対象の結果でしかない。
ヨーロッパ映画らしい光と透明感、寓意と幻覚を適度に交えプロローグとエピローグを見事に纏めた脚本の構成、キャスティングの妙と心を掻き毟る表情。
これを観ると、LGBTと云う言葉が陳腐になる。性別は対象の結果でしかない。