P.N.「キリスト教マニアとしては」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-12-22
役者としては好きなジュード・ロウのドラマ「ピウス13世」のありえなさに憤る者としては、本作は空想とはいえ戦後のローマ教皇のあり方の縮図として納得できる。フランシスコがイエズス会出身であることが南米出身より大きな壁となっていたこともよくわかる。同じくフランシスコを描いた「ローマ教皇になる日まで」との整合性、補完性も素晴らしい。冒頭のコンクラーベでベネディクト=ラッツィンガー枢機卿とマルティニ枢機卿がライバルと目されていたこと、イタリア人マルティニが同じイエズス会のフランシスコに票を回そうとしていたくだり、日本でもたくさん翻訳されてるマルティニの読者としてはとても嬉しかった