P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-11-01
映画の公式サイトを見るとアンドレイ・ズヴャキンツエフの本篇への想いが書かれて居る…。未解決事件のmysteryスタイルの中で捜索volunteer隊の姿が堅実に描かれているが,監督自身はイングマール・ベルイマン監督作品〈ある結婚の風景〉と対に為る映画を目指したと云うー。二組の男女の各々の家庭の狭間に置かれて消失した息子の行方は?
らぶれす
総合評価4.6点、「ラブレス(2017)」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。
映画の公式サイトを見るとアンドレイ・ズヴャキンツエフの本篇への想いが書かれて居る…。未解決事件のmysteryスタイルの中で捜索volunteer隊の姿が堅実に描かれているが,監督自身はイングマール・ベルイマン監督作品〈ある結婚の風景〉と対に為る映画を目指したと云うー。二組の男女の各々の家庭の狭間に置かれて消失した息子の行方は?
又,凍てついた様な夫婦関係ととても居たたまれ無い悲痛な子どもの存在。重厚な主題は其の叫びを捉えた
「エレナの惑い」「ヴェラの祈り」を前に渋谷ユーロスペースでロードショー鑑賞、今回アンドレイ・スビャキンツエフ監督作品の本編はTV視聴した…。先のレビューにも在ったけど愛の不在の顛末と苦悩はイングマル・ベルイマン監督作品「狼の時刻」「恥」「情熱」等も連想させたー。居なく為った子を捜すシーンの切なさは、尋常では無い!ホームドラマだと子捜しを通じて愛が証明されるが、本編の場合政情不安なウクライナのシーンに切り替わり個の問題から社会問題へと視点が拡がった。👥
行方不明の子供に、何の愛もない両親の姿が壮絶だった。ボランティア捜索隊だけが、子供の心配をしていたが、それは映画の救いと同時に、絶望でもある。
見る人によるが、ヌードシーンとラブシーンの描写が無駄にあざといのが、流れを分断しているように見えて、今一つだった。
ここまで徹底的に救いがなく、冷徹な物語、久しぶりに見た気がする。若い頃ベルイマンの映画をみてその容赦なさに茫然としたのを思い出した。
それにしても、若くして妊娠&結婚、貧しい暮らしに愛は消え、酒びたりの夫は早世、女は仕方なく子を養い、成長した子はまた若くして妊娠、というロシアの負の連鎖、どこまで続くんだろう。