コスタリカの奇跡 積極的平和国家のつくり方 作品情報
こすたりかのきせきせっきょくてきへいわこっかのつくりかた
地球幸福度指数(HPI)2016の世界ランキングで一位に輝いたコスタリカ。1940年代前半、カトリック教会と労働運動のリーダーたち、そしてカルデロン政権が連帯し、強固な福祉国家の基礎作りのための大胆な改革を行った。1948年、政治腐敗と不正選挙のためにコスタリカは内戦に陥る。この内戦に勝利を収めたホセ・フィゲーレス・フェレールは、軍隊を廃止するという決定を下す。トルストイ、エマーソンの他、数多くの平和主義者の著書を読み漁る勉強家だった彼は、民主主義を重んじ、確固たるものにするため、国民解放軍のリーダーとして権力を手放した。1980年代、中米の国々は内戦に直面し、アメリカのレーガン政権から猛烈な外交圧力を受けるが、ルイス・アルベルト・モンヘ大統領(当時)の中立宣言や、オスカル・アリアス・サンチェス大統領(当時)の平和交渉など、大胆な行動でコスタリカは平和を維持した。アメリカ主導で戦われたイラク戦争でコスタリカは“有志連合”に加わったが、草の根レベルの努力により、そのリストから外れた。オスカル・アリアス・サンチェス元大統領は、コスタリカの安全保障モデルを近隣諸国に輸出し、パナマやハイチの非武装化に大きく貢献している。しかし、コスタリカには新たな問題もある。自由貿易協定など新自由主義的な経済の動きによりグローバリゼーションが進み、格差が拡大した結果、社会民主主義の伝統が揺らぎつつある。格差と国際化に脅かされるなか、コスタリカはさらに深刻な問題に直面している。ラテンアメリカの麻薬生産地帯コロンビアと、世界最大の麻薬市場アメリカという2つの地域に挟まれ、麻薬戦争のためにアメリカ軍駐留問題が発生しているのだ。しかし、戦争経済によって多大な代償を払っているアメリカと対照的に、コスタリカは平和国家として存在し続けている。オスカル・アリアス・サンチェス元大統領は、武器貿易条約(ATT)の締結を世界各国に勧めている。
「コスタリカの奇跡 積極的平和国家のつくり方」の解説
軍隊を廃止したコスタリカの奇跡に迫るドキュメンタリー。軍事予算をゼロにして、無料の教育、無料の医療を実現したコスタリカ。1948年から1949年にかけて行われた軍隊廃止の流れを追いながら、教育、医療、環境にどのように投資したのかを説明する。共同監督は、本作が初監督作品となるアメリカの社会学准教授マシュー・エディーとマイケル・ドレリング。
軍事予算をゼロにして教育、医療を無料化し、平和を構築したコスタリカの奇跡に迫るドキュメンタリー。1948年、コスタリカは内戦を経て、ホセ・フィゲーレス・フェレールの「兵士よりも多くの教師を」の宣言から軍隊を撤廃、平和国家建設への道を歩み出す。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2017年8月12日 |
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キャスト |
監督:マシュー・エディー
マイケル・ドレリング
出演:ホセ・フィゲーレス・フェレール オスカル・アリアス・サンチェス ルイス・ギジェルモ・ソリス クリスティアーナ・フィゲーレス |
配給 | ユナイテッドピープル |
制作国 | アメリカ=コスタリカ(2016) |
上映時間 | 90分 |
公式サイト | https://www.cinemo.info/movie_detail.html?ck=48 |
予告編動画
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ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。
P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2018-05-24
「戦争は病で在るから平和の健康がベストだ」と云う事に真理が有ろう…。本編は中南米コスタリカの常備軍不在構想の、勇気在る大きな実験・実践のドキュメントの話だった。「軍を持たない対話路線が最大の武器だ」と言う事は、日常でも人は喧嘩をするよりも互いにリスペクトして言葉で論争し合って粘り強く成果を挙げて行く一例でも判る。その為のルールの整備も有るからー。小国で無駄な軍備に予算を設けるよりは社会福祉にお金と人件費を充て幸福度世界一を勝ち取った奇跡の軌跡を描いた!