P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-11-15
原作者は転向者に視点を充てたので資料探しに苦心したと云う本篇
ちんもくさいれんす
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原作者は転向者に視点を充てたので資料探しに苦心したと云う本篇
再放送で視たNHK総合の人気番組〈ブラタモリ〉では本篇とも関係する島原の乱も取り上げられて「何故隠れ切支丹が250年も生き延びたか」の秘密にも迫る…。マーティン・スコセッシ監督の本篇シーンも流れた
☦️NHK総合で放送された番組〈碧い海と十字架と〉の長崎,五島列島の教会建築や迫害された切支丹の碑などを見て居て遠藤周作の原作の映像化作品の本篇を想い浮かべていた🌊
この映画をまた観た。とても感動した。私は以前、地元にある隠れキリシタンの里へ海外から来られた若い女性の歴史学者を案内したことがある。それだけにこの映画は決して忘れられない。これはじっくり味わうことによって沈黙ということの意味がわかってくるのではないかと思う。最高の作品だ。
私はクリスチャンではない。けれども昔から遠藤周作さんの大ファンであり、ある教会からずっとメルマガを頂いている。だからこの映画はとても興味があった。これは素晴らしいの一言に尽きる。沈黙という形で神を感じさせてくれるからだ。我が家にはプライベートルームに十字架があるのだ。そして私は朝夕、お祈りをしている。だからこの映画は何度も観たいと思っている。
伊東マンショの新たに見出だされたテイテイアーノの画いた幻の肖像画を廻るドキュメンタリー番組を視ていて、数奇な運命を辿る彼の遣欧使節団ともオーバーラップする受難史の本編の事が一頻り想い出された…。踏絵、棄教、穴吊し刑…、マーチン・スコセッシ監督作品「シャッター・アイランド」のフィクショナル孤島での不条理劇の真実篇だねぇ🎵💃✝️
西部劇「クイック・アンド・テッド」と言うサム・ライミ監督の真昼の決闘シーンとジーン・ハックマンの恐怖支配の続くタウンの作品を見た後に本編を視る。するとウエスタンでの「生か死か」の命を賭けたクライマックスの決闘シーンと「踏み絵を踏むか踏ま無いか」のギリギリの選択行為の強制が被って見えて来たんだ。ポルトガルの鉄砲等の先進技術は受け入れながらも異教を怖れた時代背景と異教弾圧をスコセッシ監督は映画と言うエンターテインメントに仕上げて居るんだー。海外では特に知られざる島国日本版の映画「シャッター・アイランド」でも在った🎵基督教を棄て仏教徒を装った神父の謎を残しつつ…。
久し振りに今度はスター・チャンネルの放映でテレビ視聴。テレンス・マリック監督作品、例えば〈ツリー・オブ・ライフ〉見たく主人公の内面を吐露するモノローグ手法が本編の特色だった。踏み絵の件に関しては太宰治の短篇「走れメロス」宜しく約束の誓いを守れるか否かと言う信条の物語だとも。英会話の流暢さに付いては案外、現代人よりもネイテイブな可能性も否定出来ない。昔の人の耳の佳さに加えて、一定時代を遡ると日本語自体の発音が現代より複雑な音を捉え表現する巾が在ったから…。
中野工芸大學公開講座で西村教授が取り上げたのが遠藤周作文芸と本編。意外にも此処にイタリア・ネオ・リアリズモの巨匠ロベルト・ロッセリーニ監督が咬んでくるのだ。ロッセリーニ監督の〈無防備都市〉や〈戦火のかなた〉に触発されたであろう映画狂の遠藤が書いた本作品を邦画好きでロッセリーニを敬愛するスコセッシが映画化した興味深い繋りを提示。本神父の実のモデルがスコセッシと同郷のシチリア出身だったと言うのも面白い。映画と文芸との相互比較も奥深いものだ!
モニカ役の小松野菜奈が佳かった♪音楽が殆んど無くてナレーションがその残酷歴史絵巻のナビゲーター。改宗つまり転びと言う人間の弱味に光を当てた!!奴隷の如く卑屈な侮蔑を浴びて仏教徒として焼かれて埋葬されながら十字架は手放さなかったある神父の精神性を、その勝利感をつとめて描いた。海の十字架刑で絶命前に讃美歌を唄い続けるNHK ドキュメンタリー取材の塚本晋也監督の演技力も見物!!
殆んど音楽を排し讃美歌と唱名と海鳴りだけが響く♪海中に殉教した小輝いていた松奈々の存在が印象に残った…。信念か転向か生か死かのハムレット的な状況を現代に問う入魂作品!
正月のNHK 番組で取り上げられ楽しみにしていた一本。導入部は何か<シャッター・アイランド>見たいでしたが、流石に史実!!重厚な大作。霧の船のシーンには溝口監督<雨月物語>のオマージュだとかー。イエス・基督ものに拘ったマーチン・スコセッシ監督の渾身の一作♪シンドラー役で多くのユダヤ人を救済したリーアム・ニッソンが本編では背教神父としてのギリギリの選択をするー。遠藤周作の原作を読みたく成るし、篠田監督版の<沈黙>も観たくなりmした。
もっと早く見て、多くの人に薦めたかったです。キリスト教信者は是非見て欲しい。神は目には見えねども常に
我が側にいます。そうでない方は、信じるとは、信仰とはどういうことか思わされることでしょう。静かに熱い映画でした。ありがとう。
星は映画化の意義のために。原作は神の沈黙という永遠のテーマに、人の魂を殺すことの恐ろしさを描いていた。映画は、「配慮」のせいで、ドラマが薄くなっている。殺される方からしたら、死ぬか生きるかのニ択なのに、相手からポリシーを語られてもなあ、と思った。窪塚の役は良かった。潔さと卑怯さをあわせ持つ、「普通の人」として印象に残った。
素晴らしく、丁寧に、日本を表現してくださいました。
ストーリーに反して、武士道と言うか、桜散ると言いましょうか?
キリスト教よりも、武士道、又は、日本の精神世界の素晴らしさを再確認できました。
重い内容なのに清々しささえ感じる作品でした。
映画ファンなら、満足の一つだと思います。
長い映画だが、アジアへの欧州列国の搾取が開始され、宗教を介して他国民を扇動し、内乱を誘い、戦争を仕掛け、入植を仕掛けた時代背景がしっかりと描かれている。一神教の他文化を良しとせず同化することのない傲慢さ、当てつけがましさ、よく描けてます。誰も幸せになれない映画ですが、素晴らしい出来です。
スコセッシ監督が映画化を決めてから28年、胸に秘め続けた思いが伝わる、素晴らしいラストでした(原作にはない、監督の遠藤解釈です)。ラストの場面が、映画全体を繋げる重要な役割を果たしています。神父が英語を話していたり、農民が流暢な英語で話すなど、違和感を感じる部分も確かにありますが、マイナス要素をすべて吹き飛ばしてしまうほどの圧巻のラストでした。ただただ感動です!
長崎在住です。キリスト教の方なのか、はたまた弾圧を受けた先祖をもつ方々なのか、いつにも増して年配の方が多かったです。率直な感想は、今さら… です。原作の遠藤周作は長崎では有名で、キリスト教の弾圧においても知識があるせいかもしれませんが、宗教を扱った映画は多く、改めて何かを得るというものがなかったと思います。あえて言うなら、宣教師達への拷問がこれほどまでに凄かったのか、と思うぐらいです。昭和の映画のような気がしました。最後はどのような結末になるのか見入っていましたが、途中は寝ていました。
本作は、17世紀、江戸時代初期のキリシタン弾圧を通して、信仰に対する苛烈な葛藤と苦悩を描いています。若きポルトガル人宣教師が捕らえられ、幕府の役人に棄教を迫られます。棄教すれば信者は救われるが、棄教は神を裏切る行為。信仰を貫くか弱者を救済するかの究極の選択に苦悩する彼は、神に問い続けますが神は沈黙し続けます。ついに、彼は、ある決断をします…。娯楽作では有りませんが、価値観が根こそぎ揺さぶられる衝撃作です。
力ある1本に出逢えた気分である。
しかし、多くの方が感じるであろう「江戸時代にあんなに流暢に英語を喋る武士がいたなんて…」その疑問は私も残る。
中世のフランス人が、ロシアの原子力潜水艦乗組員が、ナチスの一兵卒ですら英語を喋る映画があった―英語圏製作だもん。【映画のお約束ごと】として見るしかない。
傑作です!