P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2020-03-21
本篇の音楽を担当したハナレグミの「深呼吸」も又,切なくて佳くてね
うみよりもまだふかく
総合評価4.7点、「海よりもまだ深く」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。
本篇の音楽を担当したハナレグミの「深呼吸」も又,切なくて佳くてね
Canonの新世紀写真展を見学してたら審査員の一人に本篇等是枝裕和監督作品を撮って来た瀧本幹也カメラマンの名前が在った。身体とか皮膚感覚等に拘った写真にコメントを書いて居た様だった。本篇も又,四季の中の女性たちの移ろいが見事何で
そして日本版の刑事コロンボ見たいなmystery番組,野呂盆六役の橋爪功主演のTVドラマを視聴してると本篇でも音楽鑑賞会の指導をしている橋爪のインテリで居てちょいと飄々とした感じが想い浮かんで来るんだ
本編には台風の日の公園で父子で語らうシーンが在った。息子に大人に為ったら何に為りたいかと訊いた後で、父は「自分は未だ目指す其れに為ってないかも知れない」と応えた。ラストソング宜しく一歩でも前に進もうとする阿部寛演じる父親の姿が印象的だ!作家としては茨の道程の現実だが、テレサ・テンの「別れの予感」の本編タイトルに因む主題曲とは裏腹な〈希望〉を予感させる実に爽やかなラストシーンで在る
岩波ホールでロバート・ハラフテイ監督の記録映画「モアナ」等を観た後で,本編の放映を視ると映画って如何に日常を切り取ってコラージュするかに懸かってるんだと想わせられる…。本編の良多は駄目男見たいだけど、其の志は高いんだねぇ~。テレサ・テンの〈恋の予感〉と云う流行歌がラジオから流れて、歌詞に在る「海よりもまだ深い」究極の愛情とは本当に得られるものかが主題で在る事が告げられる。子役の吉澤太陽君も一際光る秀作ドラマでした!
藤山直美と岸部一徳の出ていた映画「団地」のコメデイを視ていて、矢張り団地を舞台に拘った是枝裕和監督の本編を思い出した…。コミカルなキャラを演じる阿部寛の、駄目さ加減が面白いんだ!往年の日本映画のホームドラマも想わせる日常生活が此処に在った、当時団地に住む事は憧れでも有ったけどー。
本編、阿部寛の自称作家の中年男の情けさは映画(永い言い訳)で作家を目指すモッ君の姿とダブる…。愛人の黒木華との不倫の最中に妻の事故死を後で知る後悔の念が、ドラマを突き動かす…。
これに対して是枝監督の本編ではドラマチックなシーンは、台風の到来と公園のシーンだけだが。二編の情けな男の変奏曲だけど…。どちらも心温まる秀作だった♪
名画座で西川美和監督の永い言い訳を見ていて団地シーンから是枝監督の本編を思い出した…。(そして父になる)、や(海街diary)もそうだったけど、家族の絆をしっかりと時な残酷な程リアルに描き出している。ファンタジックな(空気人形)でさえも♪
また、いつもながらに子役が光る!!西川作品にも小津安二郎監督作品にある眼に見えない世界からの眼差しが有ったが、本編に流れるテレサテンの同名曲のシーン、台風の夜のシーン等にもそれを感じてしまった…。
不甲斐無い良多に対しての、周りの人達の言葉に胸に波紋を広げられました。自分も過去に引きずられ続ける駄目男だから。女性は現実的だなぁ。
よかったです。でも、せつない!元家族みんなそれぞれ、互いを思い大切にしているにもかかわらず、一生元には戻れない。この御時世、よくある話なのだろうが心が締め付けられる。