P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2022-12-21
本篇のような対話映画の源流は小津安二郎監督作品なのかも知れ無い!
👩👩👧👦フレンドリーな女性ための物語だと想いきやビターな恋愛感情の綾で
はっぴーあわー
総合評価5点、「ハッピーアワー」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。
本篇のような対話映画の源流は小津安二郎監督作品なのかも知れ無い!
👩👩👧👦フレンドリーな女性ための物語だと想いきやビターな恋愛感情の綾で
対話劇の積み重ねで其其の人生の此からが紡がれて…。濱口竜介監督節
濱口竜介監督の人物間の葛藤を孕んだ人間ドラマが幾つも展開して行く
4人の女性の人間の関係性或いは模様を其其の時間を内包して一際デリケートに描いた監督濱口竜介節の魅力
落ち着いたカメラ・ワークで人物を凝視するスタイルは気持ちが佳い程だ…。対話を積み重ねる中で或る種の〈教訓劇〉にも為り得るのは例えば、エリック・ロメール監督、洪サンス監督作品等とも共通する処で在る。素人俳優の抜擢と言う点では寡黙なロベール・ブレッソン監督タッチも見られるかも知れないのだが。
細やかな嘘がドラマを一際大きく複雑なものにしている点で、本編は最近視た連続TVドラマ 〈ビック・リトル・ライズ〉と似た構成。若手女流作家が出来立ての自作「湯気」をリ-デングするシーンは其の編集担当の浮気心の夫と妻の確執が見せ場!悲痛さは恰も溝口健二監督作品の如し。 有馬温泉旅行でのアラサ-女四人の幸福な時間は小津安二郎監督タッチさながらのロ-アングル。真正面から撮られた女達の表情が 実に佳いのだ。
ロードショー公開時に見逃していて漸く日本映画専門チャンネルで観た。TV放映でも途中、3分間のインターミッションが何度も入る長尺物。揺れ動く女心を描く群像劇の其のタッチは何処か、洪サンス監督、エリック・ロメール監督或いはミケランジェロ・アントニオーニ監督作品をも連想させた。と同時に、優れて濱口竜介監督自身の映画表現論なのだ!