P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2022-10-14
本篇出演のペイマン・モアデイがクリステン・スチュアートと共演した映画〈レデイ・ソルジャー〉は収容所と云う極限の空間で起こる内面のドラマ,ストーリーの緊迫感がイラン映画の本名篇にも通じ合う気も…
べつり
総合評価4.6点、「別離(2011)」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。
本篇出演のペイマン・モアデイがクリステン・スチュアートと共演した映画〈レデイ・ソルジャー〉は収容所と云う極限の空間で起こる内面のドラマ,ストーリーの緊迫感がイラン映画の本名篇にも通じ合う気も…
「コーランに誓って言える」のかと云うヒロインのモラル上の葛藤シーンが出て来る,宗教的な道義心が嘘を許せ無い事に通じる金銭慾とは別の価値観が。貧しい庶民の生活への眼差し或いは両親の和解を望む子どもの視座,其処にも大きなドラマが!
レイラ・ハタミの美貌に惹かれて再見した本篇。アルツハイマーの父親役の演技力と云い人間関係と奥行き在る緊迫感のドラマ,初見はロードショー館のBunkamura Le cinema
別離をみて、とても感動した。これは介護の問題だけでなく、様々なテーマを扱っていて、深く考えさせられる作品だと思った。スクリーンに引き込まれていく快感がたまらない。素晴らしいの一言に尽きる。
そして,ルーマニアの映画〈不倫期限〉を視聴していると,其のじっと据え置かれた長廻しのカメラワークで家族の関係性を辛辣に見据えた秀逸なstyleで,ふと想い出すのが本篇等で在った…。何度もリハーサルを繰り返した演劇見たいに,考え抜かれて練り上げられた手法何だろう!
先日TV 放映で観た、クリステイアン・スチュアート主演の映画<レデイ-ソルジャー>。其処でも本編に登場するベイマン-モアデイが収容所に捕らえられた男を演じ看守側の女性兵士との見事な駆引きをしていた…。本編では妻役の大学勤務のレイラ-ハタミとの間で家族の問題に悩む夫を演じた。アスガー-ファルハデイ監督の視座は介護された父親や別居騒動で揺れる娘やお手伝いに来た婦人と幼子に置かれ、庶民の生活を静かに時に激しく描き出した…。
映画(彼女が消えた海辺)で執拗に人間心理を掘り下げたアスガー・ファハルデイ監督。本編では国外移住・別居・離婚と言った問題を通じて日常生活を見詰めた。イスラム教と言う宗教風土の違いは有るものの、大人のついた一寸した嘘が投げ掛ける波紋がいくつもの思い掛けないドラマを次々に生んで行くのは、恰かもシェークスピア劇の様だ。離婚調停所のラストシーンも見事!一人娘はどちらに引き取られるのか?或いは和解か?判断は観客に委ねられる事に。
知らない役者ばかりだったので、映画というよりリアルにイランの一般家庭の生活を覗いているような感じがし、とても興味深かった。特に信仰、男女の区別などまったく違う価値観、文化がサラリと描かれてるのがよかったです。ただ主人公親娘三人は似てなさすぎな気がしました。
深い。
夫婦の在り方、介護の問題、子供を取り巻く環境や、格差社会…どこの国にも当てはまる話しだが、皆 少しずつ嘘をつく。
娘も巻き込んだ ドロドロ…それが ひょんな事から ほどけていく…。
イランの強い信仰が鍵となり、面白い。
万人受けはしないかもしれないが、自分は満足感が高く、素晴らしい作品だと思った。
イランの現状を垣間見たい人にしかお勧め出来ない。
確かに介護問題、現代イランの家庭事情、格差問題、宗教問題など様々なテーマを内包し、一言で『善(人)』『悪(人)』と決めつける事は出来ない、人間の誰もが合わせ持つ業のようなものが巧みに表現されており、心理的なヒューマンドラマとしても奥深い。
だが、観賞後感動も衝撃も生まず、虚しさばかりが残り、少なくとも万人に勧められる作品ではない。