エリート・スクワッド 感想・レビュー 1件

えりーとすくわっど

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P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-06-03

このブラジル映画「エリート・スクワッド」は、ブラジル、リオのスラム、麻薬密売、警官の汚職に立ち向かう軍警察特殊部隊をリアルに描いた作品だ。

タイトルからは、一見、特殊部隊アクションかなと連想してしまいますが、そんな生易しい映画ではありません。

何しろ脚本が「シティ・オブ・ゴッド」のブラウリオ・マントヴァーニだ。
ブラジルのリオデジャネイロが抱えるスラム、麻薬密売、警官の汚職といった困難な問題に敢然と立ち向かう、軍警察特殊部隊BOPE(ボッピ)の活躍を描く作品なんですね。

当然、アメリカの特殊部隊ものとは違って、ドキュメンタリータッチの社会派映画なのだ。
しかも、このBOPEの行動がアクション映画以上に激しいのだから、さらに驚いてしまう。

マチアスとネトは新人警官。しかし、警察内部の腐敗に対してささやかな反抗を行なったことから、スラムのいざこざに巻き込まれてしまう。

銃を持ったチンピラに包囲され、弾も尽きて万事窮すとなった時、軍警察精鋭部隊BOPEが駆けつけ、無事救出された。
そして、堕落した警察に嫌気がさした二人はBOPEに志願するのだった。

一方、BOPEのナシメント大尉は、日々の激務でストレスが頂点に達していた。 一時的に実践の任務を離れ、訓練教官となったナシメントは、マチアスとネトを自分に替わる指揮官に育てるため、過酷な訓練を開始するのだった。 欧米の特殊部隊ものと変わらないように思えるが、BOPEの行動はとにかく過激だ。 チンピラが銃を持っていれば、先に発砲し、相手が死んでも気にしない。 そして、手掛かりをつかむためなら拷問も辞さず、頭にビニール袋を被せて空気を遮断しながら、何回も顔をひっぱたくという激しさは、もはや警察の特殊部隊というよりも「ワイルド7」か「マッドポリス」のようなのだ。 何しろ、彼らのエンブレムはドクロなのだから、ナチのSSも顔負けだ。 しかし、前半で警察の腐敗も描かれているから、これも仕方がないだろうなと思えてしまう。 最終的に物語は、インテリで穏健派のマチアスが、ひとりのタフなBOPE隊員に成長するところで終わるが、続編ではさらに過酷な運命が待っているのだった。

最終更新日:2024-09-13 12:54:07

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