RIVER(2011) 作品情報
りばー
秋葉原で2008年6月に起きた無差別殺傷事件で恋人の健治を失ったひかり(蓮佛美沙子)は、郊外から都心へ向かう電車に1人揺られていた。あの日を境に現実は遠のき、ひかりは健治と過ごした時間だけを糧に生きていた。家に引きこもり、1人で食事し、庭にパンジーを植え、育てる日々。しかし、優しく見守る母(根岸季衣)や高校の同級生まりあ(尾高杏奈)との何気ない会話の中で、少しずつ落ち着きを取り戻そうとしていた。緊張した面持ちで秋葉原駅に降り立ったひかりは、健治の面影を探して、彼が好きだった街を歩き始める。どこからともなく流れ込み、どこへともなく去っていく人の波。惨劇のあった場所を茫然と眺めていると突然、写真を撮らせてほしい、と女性カメラマン沙紀(中村麻美)が声を掛けてくる。健治に教えられたビルの屋上では、尾崎という若者(柄本時生)が、一緒に自殺しようと言い出す。録音技師を志望するひかりの心に、路上ミュージシャン(Quinka,with a Yawn)の歌声が響く。そして、メイド喫茶のスカウトマン修(田口トモロヲ)と、そこで働く桃(菜葉菜)。誰もが皆、屈折を抱えながらも必死に生きる術、自分にふさわしい場所を探し求めていることを知る。何かを吹っ切るように、再び歩き出したひかりは、健治を知る人間を探して歩き続け、ガード下に暮らす佑二(小林ユウキチ)と出会う。ひかりの話に耳を傾けていた佑二は突然、“これが現実なんだ”と言って、テレビに映し出された東日本大震災の被災地の無残な光景を指さす。佑二もまた、親と喧嘩して家を飛び出し、故郷を捨てた苦い過去を背負っていた。ひかりは自分に言い聞かせるように、佑二に語りかける。目の前のものすべてが現実であり、本物であり、それを受け入れること。そして“まだ、間に合うよ”と。2人は再会を約束し、佑二は故郷へ向かい、ひかりは健治と約束していた船に乗るのだった。
「RIVER(2011)」の解説
2008年6月に起きた秋葉原無差別殺傷事件で恋人を失った1人の女性が事件現場を訪れ、様々な人たちと出会い、再び歩き出すまでの軌跡を追う。出演は「源氏物語 千年の謎」の蓮佛美沙子、「愛のむきだし」の中村麻美、「同窓会」の尾高杏奈、「さや侍」の柄本時生、「うさぎドロップ」の根岸季衣。監督は「軽蔑」の廣木隆一。
「雷桜」「軽蔑」の廣木隆一が、“深い喪失からの再生”をテーマに描いたドラマ。秋葉原で起きた無差別殺人で恋人の健治を失い、沈んだ日々を送っていたひかり。前を向いていこうと決意し始めた彼女は、秋葉原を歩きながら健治の面影を探そうとする。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2012年3月10日 |
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キャスト |
監督:廣木隆一
出演:蓮佛美沙子 中村麻美 根岸季衣 尾高杏奈 菜葉菜 柄本時生 田口トモロヲ 小林ユウキチ 小林優斗 |
配給 | ギャンビット=トラヴィス |
制作国 | 日本(2011) |
上映時間 | 89分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:2点★★☆☆☆、1件の投稿があります。
P.N.「ポレポレ」さんからの投稿
- 評価
- ★★☆☆☆
- 投稿日
- 2012-03-11
感動作だということで観に行ったのですが、個人的はあまり感動しませんでした。モチーフになった秋葉原無差別殺傷事件の被害者やその家族は、どうしようもなく辛くてやりきれない気持ちだと思います。しかも、被災地の実際の映像も使われていたのですが、正直言ってあまり感動しなかったんです。残念ながら何かが足りなかったんだと思います。