P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2022-04-04
クリステアン・ベルガーの静謐でシャープなmonochromeの映像が村の因習を描いた本篇と逢って居るんだ
しろいりぼん
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クリステアン・ベルガーの静謐でシャープなmonochromeの映像が村の因習を描いた本篇と逢って居るんだ
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家令の息子達だと思う。
又ミヒャエル・ハネケ監督の助監督を務めたマリーヌ・フランセン監督が画いた劇映画が「乙女たちのひめごと」。ミレーの絵画「種撒く人」の様に力強い農村の人々,レジスタンスに旅立った男たちと村落共同体に残された女性たち。史実に沿った女の未来に拘わる大きなドラマが展開する,時に激しく、時に静謐に❗️本篇とも共通し合うリアリティさで
そして映画「シークレット・オブ・モンスター」も又,独裁者を産む児童心理を廻っての幼年期を切り取ったサスペンスフルな逆転劇で在った…。
矢張り本編、其の語り口はミヒャエル・ハネケ監督のテレビドラマの『カフカの「城」』を想わせたんだ…。朗読或いはモノローグがエピソード間を繋いで静かに物語を進めて行くー。田舎の旧習の様な息詰まる謎めいた雰囲気とフランツ・カフカ原作の迷宮感は何処かで通じ逢うのかも知れなかった。本編、医師と牧師の偽善性もさる事ながら、嘗て軍国少年少女を用意した戦前の日本の風土にも似ていて恐るべし哉!
矢張りミヒャエル・ハネケ監督とタッグを組んだクリステイアン・ベルガーのカメラワークが秀逸でポエテイックなモノトーンの画像が残酷な迄の美を映し出してるんだ…。🕊️🎗️
田舎独特の、「純朴な恐ろしさ」が、ひしひしと伝わってくる。静かな場面が続くが、かえって緊張感が高まり、目が離せなかった。日本でいうと、一昔前の、都会周辺の半端な田舎町に、よく似た空気があり、人によっては究極の恐怖映画になるかも。
編みこみ模様のようなきめ細かさに、大胆なミステリーがある。
モノクロの映像が清謐な世界を描き出しています。難解でしたが、ただの娯楽映画ではなく作品をたのしむことが出来ると思います…