千年の祈り 作品情報
せんねんのいのり
妻に先立たれながらも、高齢者向け料理教室に通うなど、北京で引退生活を楽しむシー氏(ヘンリー・オー)。彼の唯一の気がかりは、離婚してアメリカで一人暮らしを送る娘イーラン(フェイ・ユー)のこと。行く末を心配したシー氏は、アメリカを訪れ、親子は12年ぶりの再会を果たす。だが到着早々、娘の生活に面食らうシー氏。殺風景な部屋から朝食も食べずに出勤し、帰宅も夜遅い。夕食を作って帰りを待っても、イーランはお愛想程度に箸をつけるだけ。父の話には笑顔すら返さない。2人の間にはあるのは、沈黙だけだった。それでも昼間は、ロケット工学者だった現役時代の話をして近隣の住人たちと積極的に交流するシー氏。やがて、公園で知り合ったのは裕福なイラン人マダム(ヴィダ・ガレマニ)。カタコトの英語に、互いには分からない中国語とペルシャ語の会話だったが、シー氏とマダムは心を通わせていく。イーランの再婚を願うシー氏はある日、離婚の真相を問いただすが、不機嫌に突っぱねられてしまう。それをマダムに話すと、医者の息子との暮らしを幸せそうに語っていた彼女もまた、戦争で娘を亡くした辛い体験を打ち明けるのだった。だがある日、マダムが突然いなくなる。息子夫婦が生まれたばかりの孫の世話をさせたくないと、彼女を老人ホームに入れてしまったのだ。さらにシー氏は、イーランが見知らぬロシア人男性の車で帰宅する姿を目撃。その男との関係が離婚の原因だったことを知る。娘が夫に捨てられた犠牲者だと思い込んでいた父には、思いがけない事実だった。だが、イーランにも許せない父の嘘があった。“工学者じゃなかったでしょ。皆、あの女の人のことも知っていたわ”打ちひしがれる父の姿に言葉を失くす娘。そして、シー氏の告白が始まる。時代に翻弄され、家族を守るために夢を諦めながらも、懸命に歩んできた人生。その最後に、全てを明かして、初めて娘と向き合おうとする告白が……。
「千年の祈り」の解説
数々の賞を受賞したイーユン・リーの小説を映画化。中国で暮らす父親が、離婚してアメリカで生活する娘の元を訪れ、疎遠になっていた2人が親子として再生する姿を描く。監督は「スモーク」でベルリン映画祭国際批評家連盟賞のウェイン・ワン。出演は「2012」のヘンリー・オー、「ジョイ・ラック・クラブ」のフェイ・ユー。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2009年11月17日 |
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キャスト |
監督:ウェイン・ワン
原作:イーユン・リー 出演:フェイ・ユー ヘンリー・オー ヴィダ・ガレマニ パシャ・リチニコフ |
配給 | ザジフィルムズ |
制作国 | アメリカ 日本(2007) |
上映時間 | 83分 |
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