ジャイブ 海風に吹かれて 作品情報
じゃいぶうみかぜにふかれて
かつてニシン漁で栄えた歴史ある小さな港町である、北海道・江差(えさし)。東京でIT企業を経営する哲郎(石黒賢)は、祖父のお葬式にも出られないほど多忙な日々を送っていた。だが、共同経営者の前島(山口馬木也)の裏切りに気が付いてしまう。折しも、亡き祖父(大滝秀治)の四十九日の法要があり、久しぶりに故郷・江差へと帰ることした彼は、実家近くの港で、偶然、高校時代の同級生・由紀(清水美沙)に再会する。由紀は地元漁協で経理をする平凡な毎日を送っていた。再会した二人は酒を呑みつつ、20年前の思い出を懐かしく語り合う。その帰り道、由紀は、「いつか○○してやる!!」と夢をたくさん持って期待に胸を膨らませていた高校時代と現実との違いを寂しいとぼやく。由紀の「“いつか”って結局20年前に置いてきたまま」という言葉が、哲郎の忘れかけていたチャレンジ精神に火を点けた。ヨット部だった哲郎は、「北海道を無寄港で一周する」ことを宣言し、かつて同じヨット部の部長で今は地元商店会副理事長の勇次(富永伸一郎)の協力のもと、早速おんぼろヨットの「カモメ二世」号の調整をはじめる。地元で生活の基盤を築いている仲間たちを巻き込みながら、哲郎の無謀な挑戦が始まる。哲郎がヨットで船出したその頃、会社の部下の麻衣子(上原多香子)が、哲郎を訪ねて東京からやってきた。漁協で、由紀から、哲郎が北海道一周の船旅に出たことを知らされる。由紀と麻衣子は、お互いの哲郎との関係を訝しがりつつ、哲郎のヨットを追いかけるようにして、奇妙な二人旅を始める。哲郎のヨットでの冒険と、それを追いかけ見守る女たち。哲郎のヨットは江差の港を出て北上し、宗谷に向かう。途中、積丹半島沖で時化に見舞われたり、定置網帯の隙間をすり抜けたりと波乱万丈。残念ながら、宗谷の濃霧にやられ、無寄港とは行かず稚内に寄港。そこで由紀に連絡して祖父の位牌を届けてもらう。じつは哲郎は国後に祖父の位牌を埋めるつもりだったのだ。位牌を受け取ったヨットは再び海面を滑りだす。哲郎の冒険は果たして達成されるのか。そして由紀の想いは叶うのか。北海道の大自然を背景に、現在の北海道が抱える、避けては通れない問題、閉山した幌内炭鉱や北方領土などに触れながら、男と女の物語は意外な結末へと導かれていく。
「ジャイブ 海風に吹かれて」の解説
多様な価値観と、あっという間に過ぎ行く日々に翻弄される現代人たち。そんな現代社会に生きる一組の男女が、北海道の雄大な自然の中で、お互いの空白を認め合う旅へと走り出す様を描いた“大人の青春映画”。いつまでも少年の心を忘れない主人公・哲郎を演じるのは、「60歳のラブレター」の石黒賢。高校時代の同級生・由紀役には、「それでもボクはやってない」の清水美沙。監督は89年に成人映画「獣-けだもの-」で監督デビュー以来、“ピンク四天王”のひとりとして数々の話題作を発表し、最近では「PERFECTBLUE夢なら醒めて…」(02)、「ちゃんこ」(05)などの一般映画でも英才を魅せるサトウトシキ。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2009年6月6日 |
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キャスト |
監督:サトウトシキ
原作:秀丸 出演:石黒賢 清水美沙 上原多香子 大滝秀治 加賀まりこ 津川雅彦 山口馬木也 豊永伸一郎 六平直政 北見敏之 |
配給 | ダゲレオ出版 |
制作国 | 日本(2008) |
上映時間 | 109分 |
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