ロード・トゥ・ルーベ 作品情報

100年以上の歴史を持ち、世界五大クラシックに数えられている自転車のロードレース“パリ～ルーベ”は、毎年4月の第2日曜日に行われる。パリからルーベまでの260kmの間には、28か所、総延長52.7kmものパヴェと呼ばれる未舗装の石畳がある。パヴェではロードレース用の細いタイヤが石と石の間に挟まり、他のクラシックレースの常勝者でも転倒することがあるので、このレースは“北の地獄”“地獄の日曜日”と呼ばれ、最も過酷なクラシックレースとして知られている。2007年のレースでは出走192名のうち、完走したのは半分の96名だった。どんなアクシデントが起こるかまったく予測できないレース展開は観衆を魅了し、選手の闘争心を掻き立てる。2007年のレースをモノクロの映像で描いた本作は、ジョージ・ヒンカピー、リーヴァイ・ライプハイマーなどのパリ～ルーベに参戦する名だたる選手たち、ディレクター、メカニック、カメラマン、また、ランス・アームストロング、イヴァン・バッソなどのツール・ド・フランス常連選手など27名のインタビューを収めている。さらにカメラは、旧式のシャワーのある伝統のシャワー小屋の様子を捉える。ゴールのトラック競技場“ヴェロドローム”を走り、レースを完走した者だけが入ることを許されるその場所で、選手たちは完走した喜びを反芻したり、レースを振り返りながらシャワーを浴びる。それは、完走した選手にだけ与えられる祝福のシャワーなのだ。