明日への遺言 作品情報
あしたへのゆいごん
1948年3月、B級戦犯としてスガモ・プリズンに勾留されていた元東海軍司令官・岡田資中将(藤田まこと)の裁判が開始された。岡田中将とその部下に対する起訴理由は、捕虜となった米軍搭乗員に対して正式な審理を行わずに斬首処刑を執行したことだった。検察側は岡田中将らの行為は殺人だと証言し、弁護側は処刑された搭乗員は無差別爆撃を行った戦争犯罪者であると主張した。この法廷闘争を「法戦」と位置づけた岡田中将は、すべては司令官である自身の責任として全面的に引き受けようとしていた。それに気がついた部下の被告人たちは感銘を受け、浴室では『故郷』を合唱して岡田中将と一緒にいることの喜びを確認しあった。公判の4日目、岡田中将の長男・陽(加藤隆之)と婚約者の純子(近衛はな)が傍聴席に現れた。結婚式を1週間後に控える二人を対面させたいというフェザーストン弁護士(ロバート・レッサー)の心遣いに、岡田中将の妻である温子(富士純子)は深く感謝した。また別の日には、長女である達子も赤ん坊を抱いて父の姿を見守った。その一方、法廷ではバーネット検察官(フレッド・マックィーン)の執拗な追求が続く。やがて東海軍の公判は結審を迎え、判決が申し渡される。岡田資、絞首刑。法廷から退場する彼は接見する温子に「本望である」と告げた。処刑の前々夜、岡田中将は温子への手紙をしたためる。そこには、これまでを支えてくれた感謝の言葉と久遠の命を確信する決意が綴られていた。1949年9月17日、午前零時半。手錠をかけられた手に数珠を持ち、両側を監視兵に挟まれた岡田中将は月夜のブルー・プリズンを歩き、刑場の扉の前でつぶやいた。「御機嫌よう…」それが、戦争責任を背負った彼の最後の言葉だった。
「明日への遺言」の解説
第二次大戦中、無差別爆撃を実行した米兵を略式裁判で処刑した罪で、B級戦犯として裁かれた東海軍司令官・岡田資中将の法廷での闘いと、彼を見守る家族たちの絆を描いたヒューマン・ドラマ。大岡昇平のノンフィクション『ながい旅』を原作に「博士の愛した数式」の小泉堯史が監督。主演は、『必殺仕事人』シリーズの藤田まこと。共演に、「あ・うん」の富司純子、「フラガール」の蒼井優ら。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2008年3月1日 |
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キャスト |
監督:小泉堯史
原作:大岡昇平 出演:藤田まこと ロバート・レッサー フレッド・マックィーン リチャード・ニール 西村雅彦 蒼井優 田中好子 児玉謙次 頭師佳孝 松井範雄 金内喜久夫 加藤隆之 近衛はな 斎藤文 俊藤光利 中山佳織 鳥木元博 山本優 関貴昭 志村史人 原田琢磨 小豆畑雅一 外園大 川又シュウキ 高義治 石井揮之 井上浩 小野孝弘 喜安浩平 佐々木一平 長塚道太 飛田敦史 徳原晋一 安住啓太郎 高世耕平 綱島郷太郎 牧村泉三郎 ふるたこうこ 塩田宇宙 大野慶太 上杉陽一 坂東工 嶋田翔平 村上真介 森田雄人 イアン・ムーア グレゴリー・ペッカー エドワード・パパジアン ジョン・ミッチェル ローラ デニス・ガン ジャスティン・デイビス ジョン・T・ランキン マーカス・ザトラー アルフレッド・エスピノザ・バルデス グレゴリー・ガーヴィル マキシム・コレスニク ティム・ウェラード オレーシャ・ヤマザキ マーク・ヒル アレク・マコーレー ウェズリー・H・ソーパー サンドラ 富司純子 |
配給 | アスミック・エース |
制作国 | 日本(2007) |
上映時間 | 110分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:4.33点★★★★☆、6件の投稿があります。
P.N.「シュン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2008-03-23
「兎追いし…」と合唱した場面ではやはり唱歌は良いなぁと思ったのと同時に昨今は学校の教科書で流行歌(サザンやユーミン)を教えているので考え物です。この映画で二点残念な事があります。一つはシナが宣伝用に自作した幼児が瓦礫の中で泣いてる写真を使っている事です。この写真は作り物である事は証明されてます。もう一つは重慶の空爆です。これはゲルニカと違い軍事施設だけを狙った差別攻撃ですが無差別攻撃となっていた事