題名のない子守唄 作品情報
だいめいのないこもりうた
北イタリアの港町にやって来た女性、イレーナ(クセニア・ラパポルト)。貴金属商を営むアダケル家に近づくため、家政婦を階段から突き落として重傷を負わせ、代わりにメイドとなることに成功する。一人娘テアの子守役も兼ね、イレーナは次第にアダケル家の信頼を獲得してゆく。その一方でアパートには無言電話がかかり、留守の間に部屋も荒らされ、何者かの影に怯えるイレーナ。冬の晩、謎の男たちから殴る蹴るの暴行を受けたイレーナは、顔見知りの管理人に助けを求め、匿ってもらう。しかし、なぜ殴られたのかを問われても、頑として口を閉ざすのだった。傷も癒えアダケル家に復帰したイレーナに、テアは母親以上の愛情を寄せる。しかし、最近周囲で次々と起こる不審な出来事の原因は彼女にあると感づいた夫人は、イレーナに解雇を告げる。同じ頃、イレーナの前に、邪悪な男“黒カビ”が現われる。実はイレーナは、東欧から南イタリアへやって来て売春組織の元締め“黒カビ”の支配の下で、娼婦を生業としていた過去があった。だが恋人を殺され、その復讐に“黒カビ”をナイフで刺し、金を奪って逃げたのだった。“黒カビ”は、事故を装いアダケル夫人を殺害し、テアにもその手を伸ばそうとする。“黒カビ”と決別しようと揉み合ううち、イレーナは彼を殺してしまう。さらに“黒カビ”は、アダケル夫人殺しの罪もイレーナに被せていた。逮捕されたイレーナは尋問で、テアは自分の娘だと告白する。売春をしていた時期に何人もの赤ん坊を産ませられ、養子として売り飛ばされていたのだった。愛する恋人との子供であったテアの近くにいたい一心で、組織から抜け出しアダケル家のメイドとなったのだ。だがそれは自分の思い込みで、テアは別の養子縁組によってアダケル夫妻の養女になったという事実を告げられる。数年後、刑期を終えたイレーナは出所する。門の前には、美しい少女に成長したテアが彼女の帰りを待っていた。
「題名のない子守唄」の解説
北イタリアの港町を舞台に、ある裕福な家族に家政婦として雇われた女性が、巧妙な計画の下に、ある目的を遂行しようとする過程をスリリングに描く異色の女性ドラマ。監督は「ニュー・シネマ・パラダイス」「海の上のピアニスト」のジュゼッペ・トルナトーレ。出演はロシア出身のクセニア・ラパポルト。イタリアのアカデミー賞といわれるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で、作品賞を含む主要5部門を受賞。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2007年9月15日 |
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キャスト |
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
出演:クセニア・ラパポルト ミケーレ・プラチド クラウディア・ジェリーニ ピエラ・デッリ・エスポスティ アレッサンドロ・アベル クララ・ドッセーナ アンヘラ・モリーナ マルゲリータ・ブイ ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ |
配給 | ハピネット |
制作国 | イタリア(2006) |
上映時間 | 121分 |
ユーザーレビュー
総合評価:3.67点★★★☆☆、3件の投稿があります。
P.N.「メイ」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2009-08-11
本当に世界のどこかで起こっていそうで恐ろしい話です。先進国と途上国の格差の問題とか色々考えさせられました。