輝ける青春 作品情報
かがやけるせいしゅん
古い歴史の街、ローマ。この地に暮らす、ごく普通の中流家庭カラーティ家。ささいな喧嘩は絶えないが、愛し合う両親とそれを見守る4人の子供たち。家族それぞれの想いを抱えながら、一家の何気ない日々は続いていた。ひとつ違いの兄弟、ニコラ(ルイジ・ロ・カーショ)とマッテオ(アレッシオ・ボーニ)は仲がよく、感性や恋愛観、あらゆる面で共通するものを持っている。しかし、人生の受け止め方…その1点において、ふたりは大きく異なっていた。辛抱強く自らの欲するものにまっすぐ手を伸ばすことのできるニコラに対し、繊細すぎる感受性を抱えているマッテオは、どうしても人生や世の中を合理的に考えることができない。この違いが、兄弟の人生を大きく分けていく。きっかけは、ジョルジア(ジャスミン・トリンカ)というひとりの少女だった。精神病院で不当な扱いを受けていた彼女と兄弟との間には、恋にも似た感情が芽生える。ふたりは彼女を病院から救い出そうとするが、計画に失敗。ニコラは「彼女のような人を救いたい」と精神科医になって医療を見直す決意を新たにするが、マッテオは、この出来事をきっかけに自分を制御できなくなってしまう。自らの心に宿る混沌とした世界をもてあますように、軍隊への入隊を決めるのだった。とはいえ、ニコラの人生も明るいことばかりではない。娘サラが成長を遂げる一方で、パートナーの女性ジュリア(ソニア・ベルガマスコ)は、「赤い旅団」のテロ活動に参加してしまう。そして、一家を支えてきた父アンジェロが不治の病に倒れ、この世を去る。しかし、カラーティ家を深い悲しみに沈ませた出来事は、マッテオの死だった。軍隊から警察に入ったマッテオは、入隊から18年後の年明けに、自ら人生の幕を閉じる。マッテオとジュリア…人生を愛することができず、自らを傷つける選択をしたふたり。愛する人々を救えなかったことに苦しむニコラ。姉のジョヴァンナはニコラに訊ねる。「18年前、ノース岬をめざしてノルウェーを旅するあなたから、手紙が届いた。そこには『あるものすべてが美しい!』と書いてあった。いまでも、それを信じている?」と。やがて、ニコラはマッテオに忘れ形見がいたことを知る。マッテオがパレルモで出会った女性ミレッラ(ミレッラ)との間に生まれた息子アンドレアだ。彼の存在は、マッテオを失った一家の大きな希望となった。共にマッテオへの並々ならぬ想いを抱えるニコラとミレッラは、マッテオに導かれるかのように、ゆっくりと惹かれあっていく。時は流れ、18歳になったアンドレアは、ノルウェーを旅して若き日のニコラとマッテオが到達できなかったノース岬を目前に控え、ニコラに手紙を書く。「おじさんの言うとおり、本当にすべてが美しい」と。ニコラとマッテオからアンドレアへ、人生への美しい思い出は受け継がれていく。
「輝ける青春」の解説
第56回カンヌ国際映画祭・ある視点部門で上映され、6時間という上映時間にも関わらず熱狂的な喝采を持って受け入れられたイタリア映画。1960年代から21世紀の幕開けまでを、イタリアを舞台にある一家の37年間の年代記を描き切った大河ドラマ。監督は「ペッピーノの百歩」のマルコ・トゥリオ・ジョルダーナ。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2005年7月9日 |
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キャスト |
監督:マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ
出演:ルイジ・ロ・カーショ アレッシオ・ボーニ アドリアーナ・アスティ ソニア・ベルガマスコ ファブリツィオ・ジフーニ マヤ・サンサ ヴァレンティーナ・カルネルッティ ジャスミン・トリンカ アンドレア・ティドナ リディア・ヴィターレ |
配給 | 東京テアトル |
制作国 | イタリア(2003) |
上映時間 | 366分 |
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