白くまになりたかった子ども 作品情報

しろくまになりたかったこども

白くまの夫婦が、息を切らしながら氷原を走りつづける。オオカミの群れに追われているのだ。二匹のクマはかろうじてその追跡から逃れるが、それが原因でお母さんクマはまさに生まれようとしていた赤ちゃんクマを失ってしまう。一方、イヌイットの夫婦には男の赤ちゃんが生まれてくる。遠くで鳴くクマの声にちなんでその子を「チビクマ」と呼び、父親は幸せに包まれ、狩へと出かけていった。悲しみにくれるお母さんクマをなぐさめる術のないお父さんクマは、イヌイット一家の家へ忍び込み、生まれたばかりの赤ん坊「チビクマ」をさらっていってしまう。人間の赤ちゃんを差し出されたお母さんクマは、はじめこそ知らんぷりを装うが、カラスが不器用に抱くのを見かねて自分の胸へと抱き寄せ、やさしくあたためるのだった。こうして新しい母親=白くまと出会った赤ちゃんは、クマとして育てられていく。ひとりで鮭を取れるようになったころ、とうとう本当の父親に見つけられ、チビクマは、人間の世界へと連れ戻される。はじめて聞く人間の言葉。はじめて見る火のあたたかさ。チビクマにとっては何もかもがいままでと違うことだらけだった。はたして人間の世界に戻った子どもは、新しい生活になかなかなじめなかった。そして、いつしか「クマになりたい!」という不可能な願望を抱くようになった。もし父親に見つけられることがなければ、長い年月を経て、子どもは白くまとして立派に成長するはずだったかもしれない。山の精霊が出す三つの難関を乗り越え、果たして子どもはその夢を、現実にすることができるのだろうか。

「白くまになりたかった子ども」の解説

デンマーク・アニメーション・フィルムの巨匠、ヤニック・ハストラップ監督が、イヌイットに伝わる神話をもとに描いた美しいおとぎ話。2003年ベルリン映画祭キンダーフィルムフェストにて、準グランプリを受賞。音楽は、「キャラバン」「WATARIDORI」を手がけ、セザール賞を2度受賞しているブリュノー・クレ。プロデューサーを長編アニメーションのほか、芸術色の強い短編やテレビ作品などを多数手がけているマリー・ブロ。また大きな興行成績を収めた「キリクと魔女」などを手がけたレ・マザルトォールを設立したディディエ・ブリュネールが携わっている。本作品の製作には20ヶ月を要し、グラフィックとアニメーションのクリエイトはデンマークで、映像のポスト・プロダクション、特殊撮影、音楽製作などはフランスで行われた。また、はじめての字幕監修を手がけたのは、二児の母でもある文筆家の内田也哉子。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2004年7月10日
キャスト 監督ヤニック・ハストラップ
原作ベン・ハレー Lars Tommerbakke
配給 ミラクルヴォイス
制作国 フランス デンマーク(2002)
上映時間 78分

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最終更新日:2022-07-26 11:03:38

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