リクルート 作品情報
りくるーと
ジェイムズ・クレイトン(コリン・ファレル)は、全米屈指のエリート校・マサチューセッツ工科大学の中でも最も優秀な学生の1人。卒業後はコンピューター業界での成功を約束されている。全てが順調な彼の人生だが、ひとつだけ忘れることのできない過去があった。それは、1990年にペルーの墜落事故で消息を絶った父親のこと。父はシェル石油の社員として世界中を飛び回っていたが、その事故には余りにも不審な点が多く、ジェイムズは今なおネット上で情報提供を求めていた。卒業を控えたある日、ジェイムズは謎めいた男と知り合う。その男、ウォルター・バーク(アル・パチーノ)はCIAのベテラン教官であり、採用担当者。彼はジェイムズに関するあらゆる情報を入手していて、彼をCIAに勧誘しにきたのだと言う。ジェイムズの父が実はCIAであったことをバークは暗にほのめかし、ジェイムズは彼の誘いを無視できなくなる。そして、有名企業の誘いも振り切りCIAの採用試験と面接を突破したジェイムズ。人並み外れた頭脳と俊敏な運動能力、そして冷静な判断力と、いざという時の大胆さ。ジェイムズには、バークが望む全てが備わっていた。しかし、“ファーム”と呼ばれるCIAの特別訓練基地でのトレーニングは想像を絶するものだった。訓練生たちはここで1日24時間、人を欺くための全てを叩き込まれる。極度の人間不信によって人格まで破壊されそうな日々の中、ジェイムズは美しく優秀な訓練生レイラ(ブリジット・モイナハン)に惹かれていく。ある日バークは、訓練生たちをバーに連れ出す。ミッションは、見知らぬ女性を誘惑して店から連れ出すこと。ジェイムズもターゲットを物色するが、意外な人物を見つけて驚く。それは泥酔したレイラだった。訓練生を辞めさせられたと自棄酒をあおる彼女を、ジェイムズは優しく介抱する。気分が悪いという彼女を外に連れ出した時、バークの声が「作戦完了」を告げる。レイラのミッションはジェイムズを妨害することであり、ジェイムズはまんまと罠にかかったのだ。人を愛する心でさえ、CIAにとっては付け込むべき弱点でしかない。自分が足を踏み入れた世界の非情さにジェイムズは戦慄し、レイラへの怒りをむき出しにする。しかし、この事件がきっかけで二人の間に愛が芽生えていく。やがて訓練は最終段階に入る。次なる訓練は、尾行。二人一組になり、ターゲットを追う。レイラと組んだジェイムズはマニュアル通りミッションをこなすが、突然不審な男たちが襲いかかり、車で拉致されてしまう。気づいた時には、ジェイムズはコンクリートの壁に囲まれた部屋に縛られていた。「これはテストなんだろ?」と答えるジェイムズ。だが、敵は彼を様々な拷問にかける。自分の身に起こったことが信じられずに、それでも口を割るまいと必死で耐えるジェイムズだったが、レイラも捕らわれていると聞かされ、“ファーム”の教官の名を叫ぶ。その瞬間、CIAエージェントとしてのジェイムズの未来は、完全に断たれたかに思われた。翌朝、モーテルで酒に溺れるジェームズをバークが訪ね、二重スパイ摘発という新たなミッションを課す。しかもその標的は、最愛の人レイラだった……
「リクルート」の解説
名優アル・パチーノと注目の若手俳優コリン・ファレルが共演する、CIAを舞台にしたサスペンス。CIAスポークスマンの全面的な協力の下、複雑な新人採用のプロセスや育成の方法といったCIAの知られざる内幕をリアルに描写した。監督は、「13デイズ」のロジャー・ドナルドソン。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2004年1月17日 |
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キャスト |
監督:ロジャー・ドナルドソン
出演:アル・パチーノ コリン・ファレル ブリジット・モイナハン ガブリエル・マクト マイク・レルバ カール・プルーナー |
配給 | ブエナ ビスタ |
制作国 | アメリカ(2003) |
上映時間 | 115分 |
TV放映 |
2024年7月11日 テレビ東京 午後のロードショー |
ユーザーレビュー
総合評価:4.5点★★★★☆、2件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-07-23
スパイものの話としては、非常に平凡なストーリーですが、そこに新人CIAスパイのテストという設定を加えたことによって、実にユニークな作品となり、見ている間中、終始この発言や行動は現実のことなのか、テストなのかと疑念を抱かせるところが面白いなと思いました。
ロジャー・ドナルドソン監督の演出もソツがなく、アル・パチーノとコリン・ファレルのやりとりも見応えがありましたね。
しかし、残念だったのは、あまりにテストかもという設定がいつまでもつっかかってくるところ。
だから、ラストあたりに大ドンデン返しがあるんですが、普段ならもうそれだけでも十分驚けるんですが、深読みに深読みをしてしまうから、少しラストがあっけなく思えてしまいました。
謎も様々提示されるんですが、これで本当に終わり? と終始思ってしまって、終わり方がしっくり決まらないんですね。
しかし、全体としてこの映画は、スパイ映画らしい映画だと思いました。
アクションや大爆発で押し切るのではなく、嘘やハッタリや演技で相手を欺くというところに重点を置いたところに好感がもてましたね。