ラ・ジュテ 作品情報
らじゅて
第3次世界大戦後。廃墟と化したパリ。戦争を生き延びた勝者側の科学者たちは、“過去”と“未来”に救済を求めるため、捕虜を使って時間旅行を試みる。彼らはそこで少年時代の記憶に取り憑かれた男(ダヴォス・ハニッヒ)を選び出す。彼は少年時代、オルリー空港の送迎台で、凍った太陽とある女(エレーヌ・シャトラン)の記憶を心に焼き付けていた。注射で過去に送り込まれた男はあの送迎台の女と再会した。続いて未来に送り込まれた男は世界を救うエネルギーを持ち帰った。だが、男はそこでおのれの運命を知った。少年時代のあの日、送迎台でみた光景こそが、自分の運命の終着点だったのだ……。
「ラ・ジュテ」の解説
近未来、廃墟のパリを舞台に少年期の記憶に取り憑かれた男の時間と記憶をめぐる、静止した膨大なモノクロ写真の連続(通常どおり撮影したフィルムをストップモーション処理している)で構成された、“フォトロマン”と称される短編。95年、のテリー・ギリアム監督の「12モンキーズ」は本作を原案にしている。特殊上映の形で何度か上映はされてきたが、正式な劇場公開は今回が初めて。監督・脚本・撮影はヌーヴェル・ヴァーグ期、アラン・レネ、ジャック・ドゥミ、アニエス・ヴァルダら左岸派(ゴダール、トリュフォーらの活動拠点の“カイエ・デュ・シネマ”編集部がセーヌ右岸にあったため、比較してこう呼ばれた)の代表格の映画作家、クリス・マルケル(「ベトナムから遠く離れて」「サン・ソレイユ」ほか)。製作はアナトール・ドーマン。音楽は「脱出者を追え」(54、ジョゼフ・ロージー監督)「プラン9 フロム・アウター・スペース」(59、エド・ウッド監督※ノンクレジット)のトレヴァー・ダンカン。編集は「帰らざる夜明け」「銀行」のジャン・ラヴェル。美術はジャン=ピエール・シュドル。写真はジャン・シアポー。朗読はジャン・ネグロニ。出演はエレーヌ・シャトラン、ダヴォス・ハニッヒほか。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1999年7月3日 |
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キャスト |
監督:クリス・マルケル
出演:エレーヌ・シャトラン ダヴォス・ハニッヒ ジャック・ルドゥー アンドレ・アンリシュ ジャック・ブランシュ ピエール・ジョフロワ エティエンヌ・ベッケル フィルベール・フォン・リフシッツ リジア・ボロフチク ジャンヌ・クライン ウィリアム・クライン ジェルマーノ・ファチェッティ ジャン・ネグローニ |
配給 | ザジフィルムズ |
制作国 | フランス(1958) |
上映時間 | 29分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、5件の投稿があります。
P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2025-02-18
🌱グスマン監督のドキュメント映画私の想う国は恩師がクリス・マルケル監督と在って,チリの国民運動の現実感が有りながら夢の如き展開を迎える。タッチはクリス・マルケル監督の黒澤明監督作品の乱の撮影を追ったドキュメント映画AKとも通じ逢う様なスタイリッシュな格調。軍隊の発砲がジャーナリストの眼を狙い撃つ残酷なショットも。新憲法制定と云う画期も又