デカローグ<第9話 ある孤独に関する物語> 作品情報
でかろーぐだいきゅうわあるこどくにかんするものがたり
中年にさしかかった心臓外科医のロメク(ピョートル・マカリカ)は医師に性的不能を宣告される。彼は妻のハンカ(エワ・ブラシュスク)に正直に打ち明け、別れてもいいと言う。妻は肉体関係だけが愛ではないと励ますが、彼はそれも愛だと答える。果してハンカには以前から物理学科の学生マリウシュ(ヤン・ヤンコフスキ)と情事を重ねてきた。妻は早くこの関係を清算しようとするが、マリウシュが逢引きの時に車のダッシュボードにノートを忘れ、ロメクはこれを見つける。ロメクは電話を盗聴して二人の関係を確かめて妻を尾行。マリウシュと会うアパートに張り込み、妻が若い男の肉体を貪る姿まで目撃する。ある日。ハンカはアパートの衣裳棚にひそんだ夫に気づく。なじる妻に彼は自分には愛される資格はないと答え、ハンカは彼を抱きしめる。二人は冷却期間をとろうと決めて、ハンカはスキーに出かける。だが、マリウシュが彼女の後を追ったのを知り、悲嘆に暮れるロメク。ハンカはスキー場で彼に会い、胸騒ぎがして夫に電話。入れ違いで彼は出かけた後だった。急遽家路につくハンカ。それを知らず涙を流しながら、工事中の道路を全速力で駆け上がり、つきあたりで転落するロメク。ハンカは家で置手紙をみつけ、後悔と不安に泣き暮れる。そこへ九死に一生を得たロメクから電話が。妻は夫の声を聞いて微笑んだ。
「デカローグ<第9話 ある孤独に関する物語>」の解説
旧約聖書の“十戒”をモチーフに、人間世界の様々な問題、事件、感情、人間関係、運命を描いた10のエピソードからなる連作の人間ドラマ。それぞれ1時間ずつのエピソードで、当初テレビのミニシリーズを想定して製作されたが、ヨーロッパ各国の劇場で上映された。10の挿話はそれぞれに独立した作品となっているが、登場人物はいずれも同じワルシャワ効外の集合住宅の住人で、ある挿話の主人公が他の挿話に脇役として顔を見せる。監督は本作の評価がきっかけで国外に活動の拠点を移し、「ふたりのベロニカ」「トリコロール三部作(青の愛/白の愛/赤の愛)」のポーランドの名匠クシシュトフ・キェシロフスキ(95年死去)。製作のリシャルド・フートコフスキ、脚本をキェシロフスキと共同で手掛けるクシシュトフ・ピェシェヴィチ、音楽のズビグニェフ・プレイスネルは、いずれも以後キェシロフスキ監督の全作品に参加。全10話中第9話まで、それぞれ異なる役柄で登場する謎の青年はアルテュル・バルシス。ちなみに、第5話と第6話はそれぞれ劇場用長編映画に再編集され、「殺人についての短いフィルム」「愛についての短いフィルム」としてすでに公開済だが、構成やエンディングなどが異なるため掲載した。89年ヴェネチア映画祭国際映画批評家連盟賞、88年ヨーロッパ映画グランプリ受賞。2024年12月6日より、Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下にてデジタルリマスター版を劇場上映する(配給:アイ・ヴィー・シー)。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1996年1月20日 |
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キャスト |
監督:クシシュトフ・キェシロフスキ
出演:エワ・ブラシュスク ピオトル・マチャリカ アルテュル・バルシス ヤン・ヤンコフスキ ヨランタ・ピエテク・ゴレッカ カタリーナ・ピオワルスク エルジ・テレラ マトゴルザタ・ボラティンスカ レナータ・ベルガー ヤヌシュ・グウィンスキ ヨアンナ・シション スタヴォニール・クワコウスキ ダニウシュ・プリコダ |
配給 | シネカノン |
制作国 | ポーランド(1988) |
上映時間 | 58分 |
公式サイト | https://www.ivc-tokyo.co.jp/dekalog/ |
(C)TVP ‒ Telewizja Polska S.A.
予告編動画
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