正義の行方(1994) 作品情報
せいぎのゆくえ
四川省。山奥のトイ村。村の共産党支部書記チャオ・カンじいさん(リー・レンタン)の庭先で、女が首吊り自殺。彼女はハンの女房チアンで、姑を虐待した罪をチャオに問われ、村中引き回しの処罰を受けたことへの抗議自殺だった。ハンはチャオを訴えるといきまくが、チャオは動じない。彼は町の寄宿学校に通う利発な孫のフーを可愛がっていた。フーは事件についてチャンに説明を求めるが、30年間、人徳と厳しい態度でもって村を治め、私心なく人望も厚い彼は自信をもって答える。「国には国の法律が、村には村の掟や取り決めがある。村だってひとつの国なんだから、村の掟は国の法律と同じことなんだ」と。ところが、『法制新聞』から転送されてきた事件について調査してくれという匿名の手紙を受け取り、検察院から女性検察官のスー・チン(ヤン・ホア)とシャオティン、町の警察官ワン(ピー・フー)が村に派遣される。ワンは村がチャオ・カンによって30年間犯罪もなく、平和と秩序を保っていることを知っていた。事件の日。チャオ・カンはハンの母親から嫁チアンの虐待のひどさを訴えられた。彼は村人全員の前でチアンの姑への虐待を責めた。だが、チアンはそのうらみをまた姑にぶつけたため、チャオ・カンは彼女を縛りあげ、村中を引き回した。チアンが首を吊ったのはその晩だった。スー・チンは事情調査を始めた。しかし、貯水池の修復に反対して群衆大会で殴打された村の会計係チャオ・ラー(トン・タンチュン)はじめ、皆チャオ・カンの処罰にうらむどころか感謝していた。スー・チンはチャオ・カンの30年間の人徳に打たれ涙した。しかし、チアンの一件は、現法下ではチャオ・カンが人権侵害を犯したことになる。彼女はチャオ・カンにその旨を宣告。チャオ・カンの目に涙が光った。孫のフーが週末で家に帰ってきて、手紙を出したのは自分だと話した。「おじいちゃんか、法律のどっちが正しいのか知りたかったんだ」チャオ・カンは孫を優しく見つめるのだった。
「正義の行方(1994)」の解説
仕事一途な村の共産党書記の老人が起こした農村悲劇を描き、現代中国の矛盾を突いた社会派ドラマ。監督はテレビ・映画の脚本家/テレビ演出家で本作が映画デビュー作のファン・ユアン。主演は『涙痕』(80、日本未公開)で百花賞主演男優賞を受賞したベテラン、リー・レンタンで本作で再びを同賞を受賞。共演はヤン・ホアほか。95年金鶏賞作品賞・主演男優賞・脚本賞・監督処女作賞受賞。中国映画祭96で上映。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1996年11月29日 |
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キャスト |
監督:ファン・ユアン
原作:リー・イーチン 出演:リー・レンタン ヤン・ホア トン・タンチュン ピン・チエ チュウ・シアオタン ピー・フー |
配給 | 大映東光徳間 |
制作国 | 中国(1994) |
上映時間 | 109分 |
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