清水の佐太郎 作品情報

しみずのさたろう

年に一度の港祭りを迎えながら、ここ清水港は火の消えたように活気がない。というのは、次郎長が黒駒の勝蔵を倒すべく二十八人衆を連れて旅に出たのを幸い、駿府新徴組の浪人たちが非行をほしいままにしているからだった。そのお先棒をかついでいるのが、次郎長の女房お蝶の心配もよそに乱行を続けている次郎長の養子長二郎だった。今日も白刃を抜いて暴れ回る長二郎の腕をぐっと抑えたのは、旅鴉の佐太郎である。彼は清水一家へかけ合いに行ったが、留守を守るお蝶と長二郎を愛している下女お春に動かされ、かえって力を貸すことを約束した。長二郎が浪人たちと仕返しすべく狙っていると聞いた佐太郎は、事を起すのを嫌って旅芸人お千代一座に逃げこんだ。一座にいる美寿弥は密書を持って江戸へ向う勤王公卿の娘鶴姫である。清水の縄張りを狙う保下田の久六は新徴組と手を握って一夜美寿弥を拐った。佐太郎も久六一派に囲まれたが、お照に救われた。お照は、佐太郎の腕と度胸に一目ぼれして女房にしてくれと迫る女やくざである。美寿弥の危急を知って佐太郎は救出に向い、彼女を助け出したものの、剣客藤川のために足を踏みはずして断崖から落ちた。その佐太郎を救けたのはお春だった。一方久六一派の乱暴は傍若を極めた。お照は久六を刺すべくのりこんだが、逆に深傷を負い、それと知って駈けつけた佐太郎の腕に抱かれてこと切れた。その時、藤川が現われ佐太郎と再度の対決となった。が、藤川は突然喀血した。彼に余裕を与える佐太郎。そんな二人の様子を見て、長二郎は佐太郎の真意と新徴組に踊らされていた自分に気づいた。祭の最後の日。殴りこみをかけて来た久六一派を、佐太郎と、折しも帰って来てた次郎長はじめ二十八人衆が壊滅した。翌日、「お照、お前の心も富士のお山のようにきれいだったぜ」と唄いながら、佐太郎は清水港をあとにした。

「清水の佐太郎」の解説

陣出達朗の原作を、「勇み肌千両男」の渡辺哲二と岸生朗が脚色し、「お富と切られ与三郎」の酒井辰雄が監督、「勇み肌千両男」の倉持友一が撮影した股旅篇。出演は「勇み肌千両男」の高田浩吉、瑳峨三智子、「江戸群盗傳」の北上弥太朗、「忠臣蔵(1958)」の木暮実千代、テレビスターの富士真奈美、それに伊吹友木子、近衛十四郎、春日八郎など。色彩はイーストマン松竹カラー。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督酒井辰雄
原作陣出達朗
出演高田浩吉 瑳峨三智子 伊吹友木子 富士真奈美 北上弥太朗 近衛十四郎 木暮実千代 春日八郎 桂小金治 青山宏 鮎川十糸子 小笠原省吾 戸上城太郎 小堀明男 永田光男 山路義人 天野刃一 市川男女之助 田中謙三 春日昇 西田智 野沢英一 乃木年雄 中田耕二 佐乃美子 桂道子 夏木恵梨 村山圭子 南泰介 笹川富士夫 中原伸 毛利二郎 小田草之助 竹内信二 光妙寺三郎 滝竜二 鈴木稔 ヤサカ俊夫 由利工 水上杢太郎 高見孝三郎 松原宏二
配給 松竹
制作国 日本(1958)
上映時間 90分

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最終更新日:2022-07-26 11:03:47

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