おけさ鴉 作品情報

おけさからす

旅鴉の朝太郎は、はるかに佐渡を望む越後の茶店で、旅芸人春之助の唄にそそられ、故郷佐渡へ渡る気になった。島にまだ見ぬ父がいるという浮浪児新吉を連れて行ってやった。朝太郎は三年前、恋人お小夜のために博奕に手をだし、十手を預るやくざ半蔵一味に簀巻にされて海へ投げこまれたことがある。その時、救ってくれた手習師匠結城は、やくざの垢を落せと、ひそかに旅立たせてくれた……。朝太郎は小料理屋梅の屋を訪れ、母やお小夜の消息を知った。母は結城の家で世話になってい、お小夜は彼が死んだと思って幼馴染の伊之助と夫婦になっていた。彼女に会った後それを知った朝太郎は生きるはりを失ったと泣いたのである。半蔵は朝太郎の出現を知り、その復讐を恐れて、ちょうど勤皇討幕を看板にした辻斬の一味が出没しているのを幸い、朝太郎をその一味に仕立て上げた。半蔵の一隊が岩城の家へふみこんできた時、母たみは朝太郎が生きて帰ってきたことを悟った。が、たみは堅気でない朝太郎には会いたくないという。それをひそかに聞いた朝太郎は自分の身を恥じ、岩城のお糸がとめるのを振りきって駈け去った。辻斬一味は盛んに出没した。それもそのはず、半蔵自身がその一味を養っていたのだ。伊之助は半蔵から借りた高利の金の返済を迫られ、それが出来ねばお小夜を渡せと脅された。伊之助が苦面した金は辻斬一味が奪い去った。朝太郎はその話をつけに、新吉少年を連れて、半蔵の家を目指した。途中、彼らを待ちぶせていた半蔵の子分の中に、新吉の父吉松がいた。親子の再会も束の間、吉松は半蔵一味に斬られて死んだ。お小夜は半蔵らに連れ去られ、伊之助はお小夜と交換条件に、朝太郎おびきだしを命じられた。それを承諾した伊之助を、お小夜は泣いてののしる。が、伊之助は朝太郎へお小夜を助けるよう置手紙すると、朝太郎を装って、自分が半蔵らの待伏せている浜へ赴いた。朝太郎はお小夜救出を終ると、委細を知って、浜へ駈けつけ、手傷を負った伊之助を援けた。彼が半蔵らを斬り伏せた時、捕方たちが到着した。--朝、今はたみの勘気も解けた朝太郎が皆に送られて出立した。彼はたった一年の所払いで済んだ。朝太郎は新吉少年にまた来年の祭に帰ってくることを約束した。

「おけさ鴉」の解説

「こけし子守唄 夕やけ鴉」の中田竜雄と、「三日月秘文」の梅谷卓司の共同書き下し脚本を、「青空特急」の斎藤寅次郎が監督し、今井ひろしが撮影した歌謡股旅時代劇である。主演は「森の石松(1957)」の勝新太郎と、「誓いてし」の近藤美恵子。ほかに山茶花究らが助演。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督斎藤寅次郎
出演勝新太郎 近藤美恵子 潮万太郎 伊沢一郎 見明凡太朗 浦辺粂子 清川玉枝 市川恵美 浜世津子 山茶花究 コロムビア・トップ コロムビア・ライト 三波春夫 羅門光三郎 南部彰三 光岡龍三郎 尾上栄五郎 天野一郎 林家染丸 西川ヒノデ 西岡タツオ 堀北幸夫 清水明 三浦志郎 越川一 富松千代志 浅尾奥山 芝田総二 旗孝思 菊野昌代士 由利道夫 浜田雄史 種井信子 三藤愛子 米田照子 富松アケミ
制作国 日本(1958)
上映時間 72分

ユーザーレビュー

レビューの投稿はまだありません。

「おけさ鴉」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。

最終更新日:2022-07-26 11:03:47

広告を非表示にするには