妻こそわが命 作品情報
つまこそわがいのち
堀内次男は岡村トレーナーの体当り戦法に教えられ、恋人秋子にも会わない激烈な練習がみのって、拳闘界にはなばなしくデビューした。人は彼を「ピストン堀内」と呼び、リングの王者とたたえた。秋子の父は「殴り合いなんかする男に娘はやれない」と、彼女の結婚を許さない。秋子は家を飛び出して、日本拳闘協会会長田辺の家へ身をよせていた。しかし彼女は、堀内が日本一の拳闘家になるよりも、平凡な夫になることを望んでいる。堀内の闘志がなかなか理解できなかった。第一回全日本選手権大会の時、堀内は防禦を知らない攻撃戦法によって、相手からさんざんたたかれた。血のしたたるリングで、必死の秋子を認めた彼は、最後の力で勝利を占めた。こうして堀内と秋子は結婚したが、秋子はやはり彼の拳闘生活と結婚生活の間に、わり切れぬ感情をいだいていた。やがて戦争、軍隊にとられた彼に軍医は「氷い間強く打たれた君の頭は脳挫傷を起している」と語る。即日帰京を命じられた彼の心は、妻と二人の子供をかかえて暗かった。戦争が終り、拳闘界は再び活気を呈しはじめたが、すでに病を得た堀内のカムバックは悲惨だった。彼の時代と、戦術は変ったのである。体当り時代は終り、防禦と攻撃の技術的な統一が要求されている。失意の彼は、引退を決心した最後の闘いに勝利を占め、その夜電車事故で生涯を終った。
「妻こそわが命」の解説
拳闘家ピストン堀口の伝記をもとにした橋本忍の原案より「嵐の中の男」の谷口千吉と「名犬物語 吠えろシェーン」の星川清司が共同で脚本を執筆、「忘れじの午後8時13分」の佐伯幸三が監督した拳闘映画。撮影は「満員電車」の村井博。主演は「残月講道館」の菅原謙二、「永すぎた春」の若尾文子、船越英二。他に夏木章、若松和子、平井岐代子など。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:佐伯幸三
出演:菅原謙二 若尾文子 斎木新太郎 船越英二 若松和子 伊沢一郎 松本克平 平井岐代子 守田学 夏木章 早川雄三 津田駿二 伊藤直保 島田重雄 黒須光彦 小原利之 津村雅弘 町田博子 隅田一男 吉井莞象 伊東光一 南方伸夫 高村栄一 石井竜一 |
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制作国 | 日本(1957) |
上映時間 | 92分 |
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