祇園囃子 感想・レビュー 2件

ぎおんばやし

総合評価5点、「祇園囃子」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「水口栄一」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2020-12-17

祇園囃子を観て、とても感動した。私は40代の頃に仕事で何度も祇園に行っている。だからこの映画はひじょうに親近感があったのだ。これは共感できるところが多かった。木暮実千代さんは凄い美人で大好きだ。

P.N.「グスタフ」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2019-10-31

「西鶴一代女」「雨月物語」と比較して力作ではない。しかしここには、巨匠の得意とする関西の色街を舞台にした人情ものの手慣れて安定した味わいがある。戦前の「祇園の姉妹」に対して、戦後の世相を反映する主人公英子をデビューしたての若尾文子が熱演し、その新鮮な感じが役にピッタリ嵌っている。溝口監督の演技指導の眼がほくそ笑んでいるように感じるくらい、既に確かな演技力を備えていた名女優である。「雪夫人絵図」に続き小暮美千代が美代春という芸者をしなやかに美しく演じて、新藤栄太郎、浪花千栄子のベテラン俳優も素晴らしい。戦前から伝統を引き継ぐお君、戦中を生き抜いて変わろうとする美代春、そして風習に囚われない新しい価値を求める英子と女三人の世代の違いが、鮮明に浮かび上がり、最後パトロンに背き色街の掟に反した英子と美代春の寂しさが、華やかな衣装とは対照的に漂う。限られた社会にある色街の、女と男の業を優しく、時に厳しく見詰めた溝口監督の貫禄の名作。

最終更新日:2024-01-31 02:00:05

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