さらばモスクワ愚連隊 作品情報
さらばもすくわぐれんたい
音楽プロモーター北見英二は、若いが名うての呼び屋で、ジャズピアノのかつての名プレイヤーでもあった。極東プロの黒川とユウ子は、そんな北見をステージに戻そうとしていた。ある日、北見はピアノ弾きの米青年ジェームスと知りあい、その欠点を指摘して親しくなった。しかし、ジェームスはベトナムに行く兵士だった。最後の夜、心をこめて弾くジェームスの「ストレンジ・フルーツ」に北見は感動した。そこにはジャズのあるべき姿、虐げられた者の心のうめきがあったからだ。ジェームスが去った後、北見は日本のジャズバンドをソ連におくる、という計画を引受け、モスクワに発った。彼の交渉相手は、ソ連の対外文化交流委員とか、日本大使館員白瀬などで、彼はこの仕事の裏に政治的なにおいを感じた。北見はジャズを必要とするソ連の民衆とじかに接したく、モスクワの街を歩いた。たまたま知り合ったトランペットを吹く少年ミーシャに連れられ、北見は「赤い鳥」に行った。そこは“雪溶け”の落し子スチリヤーガたちの溜り場だった。北見はそこで歓迎され、美しいエルザと親しくなった。彼はジャズに熱狂する若者たちの姿に、かつての自分の姿を見て、青春の情熱の蘇ってくるのを感じた。だが、日本のジャズバンドを持ち込む計画は失敗に終った。日本の有力な政治家の死でこの仕事をバックアップしていたG物産が手を引いたのだ。一度は落胆した北見だが、ある夜、彼はモスクワの若者のために、お別れの演奏会を開き、次々とジャズの名曲を演奏していった。ジャズは人間の生活から生れるものだ、とミーシャに教えた北見は、翌朝ミーシャに楽譜を与えようと待っていたが、ミーシャはエルザにつきまとう闇屋を刺し殺して逮捕されていたのだ。北見はさびしくモスクワを去っていった。
「さらばモスクワ愚連隊」の解説
五木寛之の同名小説(講談社刊)を、「絞死刑」の田村孟が脚色し、「おれについてこい!」の堀川弘通が監督した青春もの。撮影は「三匹の狸」の福沢康道。1968年3月22日より、東京日比谷・みゆき座にて先行ロードショー。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:堀川弘通
原作:五木寛之 出演:加山雄三 伊藤孝雄 塚本信夫 黒沢年男 神山繁 富樫雅彦 野際陽子 桑山正一 藤あきみ ピーター・アレクセフ 森田敏子 アレキサンドル・ベリンスキー テッド・ガンツア ハンス・シーバーガー イワン・野村 バイヨン・ベネット ブルース・ミラー ピーター・ウィリアムス オスマン・ユセフ 西条康彦 江原達怡 伊吹徹 関田裕 当銀長太郎 石田茂樹 大前亘 荒木保夫 鈴木和夫 ハウス・ロッカーズ ザ・マーマレッド・ムーブメント 杉野喜知郎 鈴木勲夫 吉田信行 小津昌彦 八木正生 宮沢明子 富樫雅彦 日野皓正 東本安博 宮沢昭 沢田駿吾 |
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配給 | 東宝 |
制作国 | 日本(1968) |
上映時間 | 97分 |
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