P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-10-25
ラジオ番組でダム建設と治水・利水や観光資源の話題が放送された時に想い浮かべた本篇やジャ・ジャンクー監督の中国映画・長江哀歌が在った。自然破壊と云う観点は先のレビューに有るように本作には無いのかも知れないが。今はフレデリック・バックのアニメーション映画・木を植えた男見たいに戦争の傷痕と共に自然を描く作品も
くろべのたいよう
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ラジオ番組でダム建設と治水・利水や観光資源の話題が放送された時に想い浮かべた本篇やジャ・ジャンクー監督の中国映画・長江哀歌が在った。自然破壊と云う観点は先のレビューに有るように本作には無いのかも知れないが。今はフレデリック・バックのアニメーション映画・木を植えた男見たいに戦争の傷痕と共に自然を描く作品も
同じプロジェクトものなら「富士山頂」の方が面白かったという気がする。
尚、寺尾聡と宇野重吉が親子役で共演している。
寺尾聡は、これが映画初出演だと思うが、まだまだへたくそでしたね。
だが、全体としては、大企業(関西電力や建設会社)の提灯持ち映画と言われても仕方がないような気がする映画だった。
そうならないように、熊井啓監督は、一生懸命に努力をしていましたが--------。
※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]
そして、三船敏郎の娘は白血病で死ぬ。父は仕事で見舞いもそこそこ。
家族よりも仕事を大切にする時代の価値観そのものだ。
今の時代なら、こうはならないだろう。
戦前派と戦後派の対立など、今観ると隔世の感がある。
今では高度経済成長の世代と、そのバブル崩壊以降の世代の対立ですからね。
ラストの犠牲者の碑を大きく写すところに、熊井啓監督の信条を見た気がしましたね。
映画的見せ場の中盤の大事故シーン。
水が一気に溢れ出てくるシーンは、まさに圧巻の一言だ。
CGではない本物の迫力だ。
このシーンで、途中でストップモーションになるシーンがあるが、この後きっとカメラも流されたので使えないカットだったのだろう。
ここで休憩が入るが、その後はなにをやっても水が止まらない八方塞がりというシーンが続いてやや退屈。
資本家、使用者、労働者の対立のドラマに持っていくあたりは、いかにも熊井啓監督らしいと言えるかも知れない。
それに、今の時点で観ると時代の違いを感じてしまう。
もう高度経済成長そのものなのだ。
電力の為なら、自然破壊もなんのその。第一この映画には、自然破壊という概念がない。
ダム建設の時代だけではなく、映画製作時にもなかったろう。
そして、工事が停滞すると「シールド工法というやり方もありますが、予算がかかります」と言うと、社長は「金で解決することなら遠慮せずに言ってください。金のことは私に任せて」と言い放つ。
3.11以降、原発問題で、如何にコスト削減の為なら、安全対策を怠ってきた電力会社の体質を観ているので、嘘くさくて、思わず笑ってしまった。
むしろ、コストがいくら掛かっても、電力会社としては、電力料金に上乗せすればいいから気にならないのかも知れない。
源三の息子の剛(石原裕次郎)は、父のかつてのトンネル建設のためなら、どんな犠牲もいとわない父に反発していた。
実は剛の兄も、かつて父の無理な命令によって命を落としていたのだ。
工事は始まった。心配された通り、破砕帯にぶつかった。
落盤と出水が全く止まらないまま何ヶ月も過ぎていく--------。
この「黒部の太陽」の中心は、ダム建設ではなく、トンネルの話で、実際にトンネル作りが始まるまでは、会社のお偉いさんたちの会議が多くてやや退屈する。
それに、戦前の戦争を勝つために行われた無理な工事、それを推進した父と、戦後民主主義のもとに工事を行おうとする息子の対立。
しかし、工事が進むうち、自分は労務者たちの仲間だと思っていたが、実は労務者たちからは「俺たちに工事をさせて儲けるということじゃ同じトンネルのむじな」と言われてしまう。
昭和31年。高度経済成長が始まった日本において、今後の電力供給能力を強化するために、関西電力は、黒部峡谷に黒部第四ダムの建設を決めた。
工事責任者となった北川(三船敏郎)だったが、難工事が予想されるため、辞令の辞退を申し出るほどだった。
しかし、太田垣社長(滝沢修)の説得により、重い腰をあげることになる。
一番の難工事は、トンネルの建設だ。
黒部のあたりは、フォッサマグナという破砕帯があり、地盤の中がどうなっているか解らない。
しかし、トンネルを作らなければ資材が運べず、ダムは完成しない。
言い換えれば、トンネルさえ開通すれば、ダム建設の見通しは立つのだ。
トンネルの建設は間組が請け負う。だが実際に働くのは、下請けの人々だ。
その労務者を束ねるのが岩岡源三(辰巳柳太郎)だ。
今朝のNHKラジオ深夜便ジャパニーズ・ポップスは本篇の寺尾聰特集,大ヒットしたルビーの指輪はレコード化に際して,当初盛り上がりに欠けると訝られたが石原裕次郎の,まあいいんじゃないの一声で実現してレコードに,そして年末の日本レコード大賞受賞へと云うエピソードも紹介された。他に季節風,ママに内緒の子守唄,出航さすらい,囁くようなムーデイな曲目が