喜劇 初詣列車 作品情報
きげきはつもうでれっしゃ
国鉄の車掌の新作は、妻幸江と、平凡だが幸せな毎日を送っていた。ある日、列車の中で幼な馴染みの美和子と会った新作は、何故か沈みがちな彼女を元気づけた。幼い頃から新作の憧れの的だった美和子は、新潟地震で父母を失い、芸者になりながら、行方不明になった弟の研吉を探しているということだった。新作はそんな美和子のために、何かと相談相手になってやるのだった。ところが、事情を知らない幸江は、そんな新作を見て、浮気をしているのではないかと疑い出したのである。新作はそれに構わず、研吉を探すために四方八方を駆けずり回った。彼は、研吉とは恋仲で、行方知れずになった研吉を探している房子と会った。房子の言葉から、研吉が平凡な生活に愛想をつかしてフーテンになったらしいと知った新作は、前衛芸術家の溜り場、ソープランド、深夜スナックなどを探し歩いた。ある日、彼はついにフーテン姿の研吉を探しあてた。根の正直な新作は、フーテンの心理は理解出来なかったが、ともかくも普通の平凡な生活にこそ、本当の幸せがあるのだと熱心に説き、はては自らフーテン姿になって、研吉の心を理解しようと努めるのだった。一方、幸江は新作が女にもてるはずはない、と思いながらも、やはり心おだやかではなく、新作の弟夏男に頼んで、夫の行状を調べてもらったりした。そんな時、研吉を連れた新作が、フーテンの飲むクスリを飲み、フラフラになって家に帰ってきた。新作の姿に驚いた幸江は、気が狂ったのではないかと泣いたり、医者を呼んだり、大騒ぎを演じた。そこへ新作から、研吉発見の知らせを受け取った美和子がやってきた。美和子から事情を聞いた幸江は、すっかり今までの誤解をといた。研吉も、新作の尽力で鉄道弘済会に勤めることが決った。やがて正月が来た。春に式を挙げることに決った研吉と房子を伴ない、新作夫婦はお伊勢参りに出発した。ちょうど彼らの乗った新幹線の列車の窓からは、二見ケ浦から昇る新年の太陽が望まれた。
「喜劇 初詣列車」の解説
前作「喜劇 団体列車」のコンビの舟橋和郎がシナリオを執筆し、瀬川昌治が監督した“列車”シリーズ第三作目。撮影は「出世子守唄」の西川庄衛。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:瀬川昌治
出演:渥美清 西村晃 中村玉緒 川崎敬三 高橋長英 楠トシエ 城野ゆき 若水ヤエ子 小林裕子 財津一郎 園佳也子 伊藤慶子 青山ミチ 清水みつえ 佐久間良子 |
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配給 | 東映 |
制作国 | 日本(1968) |
上映時間 | 91分 |
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