紅の流れ星 作品情報
くれないのながれぼし
一年前、加島組の親分を射殺して東京を逃げ出した五郎は神戸の関興業の用心棒に納っていた。酒、女に不自由のない気ままな生活の中で、五郎はしかし、宇須刑事や、加島の仇と五郎を狙う沢井の目を警戒せねばならなかった。ある日、関と取引きしていた宝石商の小島が行方不明になり、小島の婚約者と名乗る啓子が五郎を訪ねてきた。一風変ったところのある啓子に興味を覚えた五郎は共に小島探しに駆け回ったが、いつか彼女を愛するようになった。そんな時、沢井が五郎をつけ狙って後を追っていたのだが、五郎の弟分の竹越がそれを知り、ひとりで沢井を倒すべく、モーターボートで沖へ連れだした。だが、竹越は、逆に沢井に殺されてしまった。一方、五郎は六甲山麓で発見された死体が小島であること、犯人が関と、幹部の田辺であることを知り、啓子に知らせた。当の啓子はその知らせに何の反応も示さず、一緒に寝てもいい、と言い出して五郎を驚かせるのだった。たまたま宇須刑事と会った五郎は、竹越が沢井に殺されたことを知って憤った。その足で沢井と対決(1967)した五郎は、あっ気なく相手を倒した。その頃、関は小島殺しの秘密が五郎に知られたことから、彼を邪魔に思い、消そうとしていた。その情報を秘かに探り出したバー「海猫」のマダムは、五郎を海外に逃がす手筈を整えたが、五郎はそれに応じなかった。五郎の心を占めているのは啓子のことだけだった。だが、啓子は五郎の求愛に頷きながら、沢井殺しの犯人として五郎を宇須刑事に密告していたのだった。朝モヤの立ち込める波止場で拳銃を乱射しながら警官隊に向って行った五郎は、一発の銃弾に崩れ落ちていった。
「紅の流れ星」の解説
「対決(1967)」のコンビの池上金男と舛田利雄が共同でシナリオを執筆し、舛田利雄が監督したアクションもの。撮影は「陽のあたる坂道(1967)」の高村倉太郎。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:舛田利雄
出演:渡哲也 浅丘ルリ子 松尾嘉代 杉良太郎 奥村チヨ 宍戸錠 深江章喜 藤竜也 富永美沙子 杉江弘 谷村昌彦 久遠利三 木島一郎 榎木兵衛 久里千春 東郷秀美 山田真二 山田禅二 市村博 亀山靖博 ケン・サンダース |
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配給 | 日活 |
制作国 | 日本(1967) |
上映時間 | 97分 |
ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、1件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-01-03
この日活映画「紅の流れ星」は、それまでの石原裕次郎や小林旭が演じていた主人公が、まともすぎて、つまらなくなる思えるくらい、そのチンピラぶり、軽薄さが際立っていた。
カンカン帽のずらしたかぶり方、煙草を口の端にくわえること、ウイスキーをラッパ飲みするところ、上着のひっかけ方など、とにかく身のこなし、仕種が抜群にカッコ良かった。
舛田利雄監督としては、自作の「赤い波止場」のリメイクだが、それにゴダールの「勝手にしやがれ」のテイストを加えたのが、この作品だ。
ラストの死に様が、ベルモンドが自分の手で、瞼を閉ざすのに対して、渡哲也は帽子のひさしをずらして顔を覆うなど、映画ファンとしては類似点を探すのも面白い。
また、相手役の浅丘ルリ子のアンニュイな雰囲気、当時としては斬新なファッションにも要注目だ。