にせ刑事 作品情報

にせけいじ

下町で何代か続いた魚屋魚辰の伜、千田寅松は生一本の性格に加えて人一倍強い正義感の持主だった。子供の時からの夢であった刑事になれて数カ月のところで、彼は拳銃を紛失してしまった。それを拾ったチンピラが恐喝を働いたことから、寅松はせっかくの刑事をクビになった。これまで家業に精を出さない息子に業を煮やしていた父辰造はこのことをかえって喜んだ。だが寅松はいっこうに家業に身をいれる風もなく、相変らず街に出ては、チンピラと渡り合って正義感を発散させていた。ある日国電のホームで若い女性がグレン隊に囲まれて困っているのを見た寅松は例によって飛び出していった。彼が悪漢をはね飛ばしたはずみで、女性はちょうどホームに入ってきた電車に触れ怪我をしてしまった。彼女は山口美恵子といって幼稚園の保母をしていた。美恵子の入院中に教え子の隆が誘拐されるという事件が起った。責任を感じた寅松は、警察の動きとは別に、刑事生活のカンを活かし独自で犯人を探し出そうと決意した。数日が経って、某銀行の支店長代理である隆の父川上三郎の所に電話がかかってきた。川上がさる土建会社に五億円の不正融資をしている事実をつかんでいる犯人側は、隆の身代金を五億円とふっかけてきた。狼狽した川上は子供の生命か、銀行の名誉かと悩んだ。一方寅松は偶然、街のタクシー乗場で、いつか駅のホームで乱暴をした男、吉沢に出っくわした。ふと寅松が吉沢のポケットに目をやると、手がかりの一つである隆の愛読書「大魔神」がのぞいていた。勇みたった寅松の大奮闘の甲斐あって、ついに犯人の居どころはあばかれ、隆も救出された。この事件は融資を受けていた土建会社のライバル会社が、吉沢らを手先に使って仕組んだものだと判明した。“ニセ刑事”寅松のあっぱれな快挙をマスコミは華々しく報道し、寅松は一躍、街の英雄になった。

「にせ刑事」の解説

「兵隊やくざ 俺にまかせろ」の高岩肇がシナリオを執筆し、「白い巨塔」の山本薩夫が監督した社会派喜劇。撮影は「女の賭場」の小林節雄。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督山本薩夫
出演勝新太郎 加東大介 吉村実子 姿美千子 仁木多鶴子 伊藤雄之助 山本学 大坂志郎 木村俊恵 出川純 北城寿太郎 小山内淳 工藤堅太郎 水島直哉 高見国一 大川修 丸山修 見明凡太朗 夏木章 杉森麟 喜多大八 佐伯勇 中条静夫 北原義郎 杉田康 山根圭一郎 池上綾子 赤沢未知子 岡崎夏子 目黒幸子 武江義雄 松山新一 森矢雄二 石黒三郎 河島尚真 佐山真次 木島進介 遠藤哲平 隅田一男 滝瑛子 南方伸夫 耕田久鯉子 河原侃二 原田該 岡郁二 竹内哲郎 小杉光史 石田俊介 村田扶実子 高村栄一 中原健 井上大吾 三角八郎 三島愛子
配給 大映
制作国 日本(1967)
上映時間 92分

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最終更新日:2023-08-09 02:00:04

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