にっぽん泥棒物語 作品情報
にっぽんどろぼうものがたり
窃盗、強盗、置き引き、泥棒の種類も多い中で、林田義助はそのトップクラスの“破蔵師”である。狙いをつけた家を詳細に調べあげた末、土蔵に穴を開けて品物をリレーで運び出すと、“ずや師”と呼ばれる盗品買いの処へもってゆき現金に代えるのだ。義助が前科四犯の破蔵師になったのは歯科医の父が死んだあと、母や幼い弟妹を養うため、もぐりの歯科医となるが、戦争で薬が手に入らず、この商売に入ったのがきっかけだった。こんな義助がある時仲間たちと温泉に遊びにゆき、芸者桃子に認められ世帯をもつことになった。里帰りする桃子に、手土産をと、盗品を渡したのが、義助にケチをつけ、苦手の安東刑事につかまって拘置所ゆきとなった。ここで自転車泥棒庫吉のもとに弟子入りした義助は、保釈になると庫吉と呉服屋に忍びこみ、巡回中の消防団に追われる破目となった。線路づたいに逃げた義助は、その夜九人の大男とすれちがった。その夜明けのこと、大音響と共に杉山駅で列車転覆事件が起った。桃子に訴えられて刑務所に行った義助は、杉山駅列車転覆事件の犯人だという三人の男に会った。だがその中には小男と足の不自由な男がいた。無実を訴える三人の男を見て、義助はあの夜会った九人の男が犯人ではないかと、不蕃を抱いた。やがて、堅気になる決心で出所した義助は、ダム工事場で働くと共に、はなと結婚し、子供も生れた。平和な生活の中で、義助は前科を隠すことに苦心した。だが、昔の仲間の弟であの事件で国鉄を馘となった健二が、弁護士藤本を同伴で、杉山事件の目撃者として証人になって欲しいと訪ねて来た。義助は、安東刑事から“あの犯行は三人でやった”と言わなければ、はなに前科をばらすと脅かされていた。自分の生活を守るため、藤本らの話をけった義助だが、無実の三人が十年の刑を終えたのを聞くと、決心をして、東北高等裁判所へとんだ。あの晩の見たままを語る義助に、安東刑事は、彼の前科をあばいたが、傍聴席から、目顔で応援するはなを見た時、義助は堂々と証言し、裁判官は、義助の証言を全面的にとりあげた。
「にっぽん泥棒物語」の解説
「赤い手裏剣」の高岩肇と「雪崩(1956)」の武田敦が共同でシナリオを執筆「傷だらけの山河」の山本薩夫が監督した喜劇。撮影は「飢餓海峡」の仲沢半次郎。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:山本薩夫
出演:三國連太郎 北林谷栄 緑魔子 佐久間良子 五月藤江 江原真二郎 市原悦子 伊藤雄之助 花澤徳衛 山本勝 鈴木瑞穂 山本麟一 河合絃司 吉田義夫 潮健児 沢彰謙 加藤嘉 千葉真一 室田日出男 岡野耕作 北川恵一 杉義一 打越正八 久地明 戸田春子 杉狂児 田川恒夫 大木史朗 今井健二 永井智雄 加藤武 大村文武 |
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配給 | 東映 |
制作国 | 日本(1965) |
上映時間 | 117分 |
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